同じ経路なのに「行きと帰りで運賃が違う!?」東京メトロの謎 JRと異なる”落とし穴”とは?

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東京メトロでは発駅と着駅を入れ替えると、運賃が異なる場合があります。JRとのルールの違いや具体例を解説します。

「ナニコレ!?」行きと帰りで運賃が違うメトロの“珍現象”

 JRグループが設定する「大都市近郊区間」においては、実際の乗車経路には関係なく、もっとも安くなる経路で計算した運賃で乗車できる特例があります。この特例を利用して、「同じ駅を二度通らないようなルート」で利用する、いわゆる“ひと筆書き乗車”をすれば、初乗りの運賃で100km以上の鉄道旅を楽しむことも可能です。

 このとき、発駅と着駅を入れ替えても、当然のことながら、運賃は同一です。では、このルールは他社でも当てはまるのでしょうか。

 東京都心部に稠密な路線網を形成する東京メトロも同様に、乗車駅から下車駅まで複数経路がある場合、原則としていちばん安い経路の運賃を適用することになっています。ところが、東京メトロの場合は、JRとは異なり、乗車経路によっては、発駅と着駅を入れ替えた場合に、運賃が異なることがあります。

 その一例が、丸ノ内線の「茗荷谷駅」と、有楽町線の「麹町駅」を、相互発着する場合です。

 東京メトロ公式サイトで、「茗荷谷駅→麹町駅」の経路を運賃順で調べると、丸ノ内線で池袋駅にて下車、そこで有楽町線に乗り換えて、麹町に進むルートが案内されます。運賃はICで178円、きっぷで180円です。

 ところがその逆のルート、「麹町駅→茗荷谷駅」は、同じく池袋経由とした場合、運賃がICで209円、きっぷで210円になります。

 ただ、実は「麹町駅→茗荷谷駅」もIC178円、きっぷで180円での移動は可能です。この場合は、麹町駅から有楽町線で市ヶ谷駅に向かい、南北線に乗り換えて後楽園駅で下車、さらに丸ノ内線で茗荷谷駅までという2回の乗り換えを伴うルートです。これが運賃では最安となりますが、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

「いちばん安い経路」ルールに加えて「もう一つのルール」が…!

 東京メトロ公式サイトの「よくあるご質問(FAQ)」では、発駅と着駅との間に複数の経路がある場合、いちばん安い経路の運賃を適用する範囲について、「池袋駅−和光市駅(有楽町線・副都心線)」や、「飯田橋駅−中野駅(東西線)」「新宿三丁目駅−荻窪駅/方南町駅(丸ノ内線)」など、「他の路線との接続駅から“外側”にある区間」を除いた部分を指定しています。

 とうぜん、茗荷谷駅、麹町駅ともに、この範囲に入っています。ではなぜ、こうした“珍現象”が起きてしまうのでしょうか。じつはその原因は、池袋駅での丸ノ内線と有楽町線との「改札外乗り換え」にあります。

 さきほど、東京メトロの運賃について「原則としていちばん安い経路」とご案内しました。ところが改札外乗り換えについては、この原則の対象外となり、「乗車駅から乗り換え駅までの運賃が最短経路の運賃を上回る場合は、乗り換え時に乗り換え駅までの運賃が必要となる」という別のルールが適用となるのです。

 先に挙げた例に当てはめてみると、茗荷谷駅から池袋駅まではIC178円、きっぷ180円なので、茗荷谷駅から麹町駅までのいちばん安い経路と同額となり、乗り換えのため改札を出ても、最短経路の運賃は上回りません。

 しかし麹町駅から池袋駅まではIC209円、きっぷ210円となります。つまり茗荷谷駅までのIC178円、きっぷ180円を上回ってしまうため、ICでは210円が引き落とされ、178円のきっぷでは出場できず、精算が必要になってしまうのです。

 これはJRと異なり、駅の構造上、改札外乗り換えが必要となる東京メトロならではの“落とし穴”と言えるでしょう。

JRにもある「改札外乗り換え」

 ところで、JR東日本の大都市近郊区間でも、改札外乗り換えが必要となる駅があります。それは南武線と鶴見線の乗り換え駅となる「浜川崎駅」です。

 浜川崎駅は、南武線と鶴見線が異なる私鉄として開業した経緯から、それぞれの駅舎は駅を挟んで設置されています。そのため、どちらの駅からの乗り換えでも、いったん改札を出て道路を渡り、あらためて改札を通る必要があります。

 ただこの両路線の浜川崎駅は無人駅のため、改札口は無人で、「簡易Suica改札機」が設置されているのみです。

 この駅での乗り換えも、大都市近郊区間の特例に含まれますが、ICカードで乗り換える場合に簡易Suica改札機にタッチすると、運賃が精算され、もう一方の駅の簡易Suica改札機には乗り換えの情報が引き継がれません。そのため駅にはタッチせずに乗り換えるよう、案内が掲示されています。

 またきっぷでの利用は、きっぷを持ったまま改札を出て、あらためて乗り換え先で入場するという流れとなります。ちょっと後ろめたい気分になりますが、ルールの範囲なので、安心して行動しましょう。