外務省は、高い経済成長を続けるインド市場への日本企業の参入を後押しする。省内の体制を強化し、インド進出や投資拡大を狙う中小企業・スタートアップ(新興企業)を支援。インド政府に外交ルートを通じ、規制や制度上の課題の改善を働き掛ける方針だ。
同省は4月、南西アジア課の下に日印経済室を設置。8月3日に専任室長が着任し、専任職員を含む約10人で本格稼働する。インドに拠点や販路を持たない中小・新興企業が事業展開で直面する規制や課題を把握し、インド政府との交渉を通じてビジネス環境の整備につなげる。
インドは世界最大の14億人超の人口を抱え、実質GDP(国内総生産)成長率も7%前後の高い水準を維持する。日本政府は昨年、対インド民間投資を今後10年で10兆円に拡大する目標を掲げ、既に2兆円規模の投資が決定。今年7月の高市早苗首相とモディ首相との首脳会談では両国の経済成長に向けて協力する方針を確認した。
企業側の期待も大きく、2025年に公表された国際協力銀行(JBIC)の調査では海外有望事業先としてインドが4年連続首位となった。ただ、近年は進出企業数が伸び悩む。24年時点の進出企業は1434社。18年に1400社に達して以降は横ばいが続く。法制度の不透明さ、州ごとに異なる制度、インフラの未整備などが影響している。
日印経済室は障壁の解消に向け、首脳・閣僚会談で取り上げるなど、政府間対話を活用して改善を促す考えだ。外務省関係者は「企業が抱える課題を外交の力で解決したい」と話している。
〔写真説明〕7月2日、ニューデリーで開かれた「日印合同経済フォーラム」で演説する高市早苗首相(奥中央)