ジェフユナイテッド千葉と柏レイソルによる第31回ちばぎんカップが行われた。シーズン移行に伴い、今年2回目の開催となった伝統の“千葉ダービー”は、スコアレスで90分が終了。2019年の第24回大会以来となるPK戦にもつれ込み、柏が5-4で制した。
これまで4バックが主体だった千葉は「ケガ人やコンディション不良、移籍というところで、しっかりとトレーニングができるサイドバックの選手がいなかった(小林慶行監督)」という理由から、急きょ3バックを採用。交代枠が11人というレギュレーションの中、河野貴志は先発フル出場で最終ラインを支えた。「自分自身、3バックはやったことがなかったのですが、やることは明確でしたし、しっかりと整理できていました。ブロックを敷いて我慢強く守れたことは良かった」と、急造ながら手応えを口にする。柏に押し込まれる時間帯も長かったが、最後までゴールを割らせなかった。
一方で河野が課題に挙げたのは、守備から攻撃へ移る際の「迫力」だ。田中和樹と津久井匠海の両ウイングバックは攻守にハードワークし続けたが、押し込まれた状態から前進する前への勢いを十分に出せず。また前半はエリソン、後半途中からはレオナルド・ホシャと新加入FWが起点になるべく最前線で奮闘したものの、柏の守備陣に再びボールを奪われるシーンも見受けられた。
柏も『3-4-2-1』を基本布陣とするため、試合は3バック同士の“ミラーゲーム”となった。「やっぱりサイドに振られるとスライドしないといけない。ブロックを敷いて、そのサイドに入った時に相手を止めるというか、同サイドに持っていくこともしていかないといけないと思います。我慢強く守って失点しないこともいいですけど、奪った後がきつくなるので、そういった部分は今後の課題かなと思います」と述べた。
前回のちばぎんカップでは、前半から柏に圧倒されて1-2で敗戦。河野は「個人としてもチームとしても、やるべきことを最初からできなかったことがすごく悔しい」と振り返っていた。ギラヴァンツ北九州、ブラウブリッツ秋田で研鑽を積み、自身初のJ1に挑んでいる。明治安田J1百年構想リーグでは、プレーオフを含む19試合に出場。着実にレベルアップを遂げる河野は「ミラーゲームだったので、噛み合いやすさはありました。やりながら楽しかったですし、もっとやれるなと思いました。積み上げていくだけです」と手応えを語った。その表情やたくましさは、開幕期の2月とは明らかに異なっていた。
「一番大事な土台のところは、目の前の相手に負けないこと、走り負けないこと。そういったところが一番大事だと思いますし、それをやった上で戦術が入ってくる」と強調した河野。急造の3バックは、確かな手応えと課題を残した。どのシステムであっても求められる戦う姿勢を貫きながら、河野は新シーズンの最終ラインを支える存在として成長を続けていく。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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