高市早苗首相(自民党総裁)は新たな給付制度導入までの「つなぎ」措置について、食料品の消費税を来年4月から2年間に限り1%に引き下げる案で決着を図る調整に入った。党内手続きを進めるよう30日にも党幹部に指示する。複数の政府・与党関係者が28日明らかにした。
首相は食料品の消費税率ゼロを「悲願」としており、野党も参加する社会保障国民会議で議論を進めてきた。しかし、現金給付を主張する野党と溝が埋まらず、同会議の実務者会議は27日に意見集約を断念した。1%案と給付案を併記した中間取りまとめを29日に国民会議に報告する見通しだ。
首相は28日の自民役員会で、こうした状況を踏まえ「私も決断するときは決断する」と表明。この後、麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長と党本部で約30分間会談した。両氏は財務相経験者で、首相は消費税減税への理解を求めたとみられる。
会談後、鈴木氏は記者会見で、消費税減税について「(自民の)一つの公約と国民は思っている。それに応える必要があるのではないかという考えがある」と一定の理解を示した。
首相が党内手続きを指示すれば、党内議論の行方に焦点が移る。党内には消費税減税への慎重論が根強く、議論は難航する可能性もある。
自民の税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議は28日、実務者会議の中間取りまとめ案について協議。出席者からは「財源も明確に書かれておらず、納得できない」(中谷元・前防衛相)、「マーケットから厳しく見られる可能性がある」(岩屋毅前外相)などと批判の声が上がった。