20年越し悲願成就=地下遺跡「見せ方」工夫―世界遺産「飛鳥・藤原」の地元自治体

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 地元自治体の提案から20年を経て、世界遺産登録が決まった「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)。推薦書の素案提出を4回重ねるなど、苦心の末の悲願成就となった。今後は、多くが地下にある遺跡の価値を観光客へ分かりやすく伝える「見せ方」が課題となる。
 登録を目指し、地元自治体が文化庁の公募に手を上げたのは2006年。翌年、国内候補の暫定リストに入ったが、世界遺産に求められる「顕著な普遍的価値」の説明や史跡指定などに長期間を要した。
 登録により、奈良公園や東大寺などがある県北部に集中していた観光客が県中南部にも足を向けると期待される。一方、懸念されるのはオーバーツーリズム(観光公害)だ。
 宮都を構成する19資産の大半がある同県明日香村では、石室内に入れることで人気の石舞台古墳などに車の集中が予想される。そこで同村は、公道を走れる低速電動車「グリーンスローモビリティー」を使ったガイド付きツアーを整備。村民向けだった予約式の乗り合いタクシーを観光客も利用できるようにした。
 多くが地下にある各遺跡を楽しんでもらうための工夫も怠らない。CGで再現した当時の風景を360度見渡すことができるAR(拡張現実)アプリを用意。ダウンロードしたスマートフォンで、築造過程などを音声や字幕で解説するコンテンツも視聴できる。
 明日香村の人口は約5千人。遺跡を守るため、村内の開発を厳しく制限する「明日香法」により、観光客向けの駐車場やホテルの新設は難しい。同村の木治準宝・世界遺産戦略課長(51)は「古民家を改修した宿を充実させるなど、文化財保護と観光振興が両立できる方法を探っていきたい」と語った。 
〔写真説明〕AR(拡張現実)で再現された川原寺(株式会社アスカラボ提供)
〔写真説明〕観光客向けに運行されている「グリーンスローモビリティー」(奈良県明日香村提供)