エベレストがドローン試験場に=中国圧力で米に許可出さず―ネパール

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 【ニューデリー時事】ネパールと中国にまたがる世界最高峰エベレスト(8848メートル)が中国の最新鋭ドローンの試験場となっている。米国も関心を示しているものの、中国の圧力を受けるネパールは許可に慎重な姿勢を崩していない。
 民生用ドローン世界最大手の中国DJIは9日、エベレストで飛行性能を実証する三つのミッションを成功裏に終えたと発表した。最新機による高高度での輸送試験では、ネパール領である南側のベースキャンプ(5364メートル)とキャンプ1(6000メートル超)の間で重さ計1万キロを超える登山物資や廃棄物を運んだ。
 同区間の飛行に要した時間は片道8分。「シェルパ」と呼ばれる地元登山ガイドの足では6~8時間かかり、危険な氷瀑(ひょうばく)も越える必要がある。ドローンを活用すれば、安全かつ迅速に物資を運搬できるため、期待が高まっている。ネパール政府は2024年、自国側で中国製ドローンの商業運用を認めていた。
 一方、米フリーフライ・システムズは今年5月初め、ネパール側ベースキャンプで地元企業と協力して運搬用ドローンの試験飛行を申請したが、ネパール政府は許可しなかった。政府筋によれば、中国側から安全保障上の懸念になり得るとして、反対を伝えられた。
 試験飛行には米国の南・中央アジア担当特使を兼ねるゴア駐インド大使も立ち会う予定だった。結局、キャンプでの機体展示のみにとどまったが、ゴア氏は「米国はイノベーションを主導しており、現地企業と提携してネパールに最先端技術をもたらすことをうれしく思う」と述べ、今後の協力に意欲を見せた。
 ネパールの地政学アナリスト、ビジャイ・カルナ氏は、エベレストは安保上「非常に敏感な地域」であり「中国は米国の活動を警戒し、国境付近でのドローン飛行に懸念を抱いている」と指摘。「ネパールは許可を与えることに非常に慎重にならなければならない」と述べた。
 中国は巨大経済圏構想「一帯一路」に基づくインフラ支援でネパールへの浸透を図ってきた。米国も政府機関「ミレニアム挑戦公社(MCC)」の無償資金援助を通じ、影響力拡大を狙っている。 
〔写真説明〕エベレストのベースキャンプでドローンを操作する男性=2025年5月(ネパール企業エアリフト・テクノロジー提供・AFP時事)