アメリカ代表FWの処分猶予はFIFA規律委員長の独断で決定か…他の17人の委員は関与せず?

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 アメリカ代表FWフォラリン・バログン(モナコ/フランス)の出場停止処分に1年間の猶予が与えるという前例のない決定は、FIFA(国際サッカー連盟)規律委員会のわずか1名によって決断されたものだったようだ。イギリス紙『タイムズ』が伝えている。

 バログンはFIFAワールドカップ2026・決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)のボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦で、相手選手の右足首を踏んでしまい、オンフィールド・レビューの結果、危険なプレーと判断され、64分に一発退場となった。

 これにより、自動的に次の試合は出場停止となるはずだったなか、FIFAはバログンの出場停止処分に1年間の猶予を与える異例の判断を発表したことで、同選手はラウンド16のベルギー代表戦にも先発出場することができていた。

 しかし、このFIFAの決断は大きな波紋を呼んでおり、アメリカのドナルド・トランプ大統領からFIFAに対する働きかけもあったことで、ベルギーサッカー連盟(RBFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)も非難の声明を発表するなどの事態に発展していた。

 一方、同じくオンフィールド・レビューで一発退場となっていたイングランド代表DFジャレル・クアンサー(レヴァークーゼン/ドイツ)には、自動的な1試合の出場停止に加え、重大な反則プレーに該当することから、追加の1試合出場停止処分が下され、計2試合の出場停止となったことで、バログンとの扱いの違いがさらに物議を醸していた。

 そうしたなか、今回の報道によると、衝撃的かつ前例のない決定を下したのはFIFA規律委員会のモハンマド・アル・カマリ委員長が独断で決断したものだった模様で、他の17人の委員は誰1人としてこの件に関与していないという。

 これが事実ならば、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長がバログンのレッドカードの件でトランプ大統領から電話があったことを認めた際に、トランプ大統領には独立した司法機関がこの件を管轄しており、しかるべき機関によって適切な時期に決定が下されることを伝えたと主張していたが、18人いるその規律委員会も実際には1人の判断によって決められていたことになる。

 また、FIFAがバログンに関する決定の理由を記した文書を公表していないことも、この件の不透明さを助長しており、W杯にレッドカードによる自動出場停止規定が導入されて以来、その処分が取り消されたのは今回が初めてとなったが、なぜ出場停止処分が免除されたのかについての説明さえも拒んでいることも疑問であることが伝えられている。

 実際に、イギリスメディア『BBC』のスポーツ編集長ダン・ロアン氏は、11日に行われたW杯準々決勝のイングランド代表とノルウェー代表の一戦に訪れたFIFA規律委員会のアル・カマリ委員長にバログンやクアンサーの件がどのように決断されたかについていくつか質問をしたが、いずれも同委員長は回答を拒否したことが明らかになっており、物議を醸す決定を巡る波紋はとどまりそうになさそうだ。