トランプ氏、非難から友好姿勢に一転=欧州部隊見直し言及せず―NATO

インフラ整備 予防保全型へ転換

 【アンカラ時事】トランプ米大統領は8日、トルコの首都アンカラで行った記者会見で北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を「大成功」と振り返った。前日から「NATOへの失望」を繰り返してきた態度を一転し、周囲を驚かせた。
 今回の会議の焦点の一つは、対イラン軍事作戦で悪化した一部加盟国との関係改善だった。トランプ氏は記者団の前で、スペイン批判やデンマーク自治領グリーンランド領有案を改めて繰り広げ、同盟国の間で懸念が広がっていた。しかし、閉幕に際した記者会見では「素晴らしい結束があった」と強調した。
 トランプ氏は記者会見で、スペインについてだけは「非常にひどかった」と述べたが、「イタリアとは良かったし、他のほぼすべての国も良い。悪い時があっただけだ」と語った。関係がぎくしゃくしているメローニ伊首相の批判も避けた。スペインに関しても、その後米国に向かう大統領専用機中で記者団に「態度を改めた」と指摘した。
 首脳宣言には、欧州とカナダは同盟国の防衛において、米国と協力してより大きな責任を担いつつあると明記された。トランプ政権が構想する欧州が通常兵器の防衛を主導する「NATO3.0」に合致しており、トランプ氏がこうした同盟国の姿勢を評価した可能性がある。
 一方、トランプ氏は今回、米欧関係の将来に関わる最重要課題の一つと言える欧州駐留部隊の6カ月以内の見直しについては語らなかった。会議では表面的な友好は維持されたものの、将来の米欧関係を巡り本質的な議論が深まったかは明らかになっていない。
 CNNテレビは、トランプ氏が前向きな姿勢に転じた理由として、親密な関係にあるトルコのエルドアン大統領が自ら空港で出迎える歓待ぶりなどを伝えた。エルドアン氏が主催した会議が終わったことで、再びNATO批判に転じるとの見方もある。 
〔写真説明〕8日、アンカラで記者会見するトランプ米大統領(EPA時事)