茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎(いえ)」で2020年、入所者2人の体内に空気を注入し殺害したとして、殺人などの罪に問われた元職員赤間恵美被告(40)の裁判員裁判の判決が7日、水戸地裁であった。山崎威裁判長は懲役20年(求刑無期懲役)を言い渡した。入所者1人については無罪とした。弁護側は2件の殺人罪とも無罪を主張していた。
昨年12月に始まった公判は、先月18日まで計53回開かれた。入所者の鈴木喜作さん=当時(84)=と吉田節次さん=同(76)=に対する殺人罪、食品を万引きした窃盗罪を順に審理。窃盗罪は認めている。
検察側は、看護師資格を持つ被告が知識を利用してシリンジ(注射器の筒)で空気を注入し、自然死と判断される可能性が非常に高い犯行を計画したと指摘。動機はストレスで「体調不良の高齢者を狙い、弱者に対する哀れみのかけらもない」と非難した。
一方、弁護側は「殺人事件ではない」と反論。鈴木さんの遺体は解剖されておらず、吉田さんも司法解剖医による空気分析がなかったことなどから正確な死因特定が困難だと主張した。
起訴状などによると、赤間被告は同施設で働いていた20年5月、鈴木さんの点滴チューブに空気を注入し、空気塞栓症による急性循環不全で死亡させた。同年7月には吉田さんを同様の手口で殺害したとされる。
〔写真説明〕水戸地裁=水戸市