空自屈指の「秘匿性高すぎ部隊」じつは2026年春に“ひそかな大改編”やってた!? 最新の電子戦機「XEC-2」も近々配備か

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2026年3月の航空自衛隊の部隊改編。宇宙作戦団の陰で、ひそかに「警戒航空団」が大幅な機能拡充を遂げていました。MiG-25事件を機に発足した同部隊に、電子戦や無人機偵察などの極秘任務が集約された背景と、最新機「XEC-2」の動向に迫ります。

「宇宙作戦団」の裏で進んでいた、ひそかな大改編

 航空自衛隊の2025年度末の部隊改編では、「宇宙作戦団」の新編に注目が集まりましたが、そのようななか航空総隊隷下の2つの航空部隊がひっそりと改編されていました。その2つの部隊とは、航空戦術教導団と警戒航空団です。

 航空戦術教導団は2014(平成26)年8月1日に新編された部隊で、隷下の各種教導部隊により航空自衛隊全体の戦術研究や教導訓練などを担っていました。しかし、2026年3月23日付で廃止となり、その役割は同日付で新編された航空戦術教導隊に引き継がれています。

 部隊名もほとんど変わっていないため、一見するとあまり大きな変化がないように思えます。しかし、航空戦術教導団の隷下部隊のうち、航空機を用いて電波情報収集やECM訓練を主な任務とする電子作戦群が廃止されました。これに伴い、同群隷下であった電子戦隊と電子飛行測定隊は警戒航空団へ移管されています。

 一方、警戒航空団は、複数の部隊の編入によって規模を大きく拡大しました。なぜ、そのような改編を航空自衛隊は実施したのでしょうか。部隊の変遷をたどりながら、今回の改編の意義と今後の展望を探ってみましょう。

 そもそも警戒航空団の歴史は、半世紀前の1976(昭和51)年に発生したMiG-25強行着陸事件をきっかけに新編された臨時警戒航空隊に始まります。この事件では、緊急発進したF-4EJ戦闘機が低空で侵入したソ連軍のMiG-25戦闘機を見失い、函館空港への着陸を許してしまいました。

 政府はこれを教訓として、低空で接近する航空機の探知を目的にE-2C早期警戒機の導入を決定。1983(昭和58)年に臨時警戒航空隊を三沢基地(青森県)に新編したのです。

度重なる改編で増強

 臨時警戒航空隊は、1986(昭和61)年4月に「臨時」の二文字が取れ、警戒航空隊になるとともに、E-2Cで対領空侵犯措置任務を本格的にスタートさせます。そして、E-767早期警戒管制機の導入に伴い、1999(平成11)年3月に隊本部を浜松基地に移転し、2005年3月に飛行警戒監視隊(E-2C)と飛行警戒管制隊(E-767)の2個飛行隊となりました。

 その後、南西方面の防空体制を強化するため、2014(平成26)年4月に那覇基地に第603飛行隊を新編するとともに飛行警戒監視隊を第601飛行隊、飛行警戒管制隊を第602飛行隊に改編し3個飛行隊体制となります。また、2019年3月には高性能なE-2Dの配備が始まり、2020(令和2)年3月に警戒航空隊から警戒航空団へと改編されました。

 そして冒頭に記した通り、このたび新体制がスタートしたのです。この改編の目的について、司令の鮫島建一空将補は、部隊の公式サイトで「自衛隊の各種作戦環境を、より効果的かつ実効的に構築する」、「個別の機能を有機的に連携させ、相乗効果を発揮する」ことと述べています。

 2026年3月の部隊改編では、航空戦術教導団と隷下の電子作戦群が廃止されたほか、RQ-4B「グローバルホーク」高高度滞空型無人機を運用する三沢基地の偵察航空隊も廃止されています。そして、両部隊が担ってきた機能の移管先となったのが、警戒航空団です。

 一連の改編によって警戒航空団には、三沢基地から1個飛行隊、入間基地から2個飛行隊が編入され、新たに「第502飛行隊」、「電子飛行測定隊」、「電子戦隊」が誕生しています。そして、三沢、浜松、那覇、入間の各基地に隷下部隊が所在し、その任務も従来の警戒監視や対領空侵犯措置から、偵察や電子戦データの収集などに広がりました。

発展続ける警戒航空団

 このように航空機によるISR(情報収集・警戒監視・偵察)任務が警戒航空団に集約された結果、装備する機種もE-2C/DとE-767に、RQ-4B、さらには航空自衛隊のホームページに載っていないYS-11EB電波情報収集機とその後継機RC-2が加わり、機密性の高い航空機が勢揃いしたのです。

 ところで、かつて電子戦隊は、地上の警戒管制レーダーなどに対するECM訓練のため、YS-11EA電子支援機とEC-1電子戦訓練支援機を運用してきましたが、両機種とも2024年度末までに用途廃止された模様です。このため、電子戦隊に航空機が配備されていないと推測されます。

 こうした状況から、次に警戒航空団に加わると見られているのが、YS-11EAおよびEC-1の後継として開発中のスタンドオフ電子戦機「XEC-2」です。同機はRC-2と同じくC-2輸送機がベースで、2020年度に開発試作を開始。機内に妨害装置や電波収集装置などを搭載し、機体各所に設置された複数のアンテナドームなどによって、カモノハシのような外観が印象的です。

 1号機は今年(2026年)6月、飛行開発実験団に配備され、これから技術・実用試験が行われます。なお、開発完了後の配備先について公式発表はありませんが、警戒航空団に配備されれば、従来の受動的なISR任務に、電磁妨害という能動的な任務が加わり、その歴史に新たな1ページを刻むことになるでしょう。