アメリカは中国による領土進出の圧力を受けるフィリピンに対して30日以上の連続自律航行可能な水上・水中両用無人機をフィリピンに供与しました。
太陽光と風力のみで1か月以上の航行が可能
2026年6月22日、アメリカ政府はフィリピン軍に自律型海洋無人機「トライトン」4基を供与し、その引き渡し式がルソン島中部、スービック湾の同国海軍基地で行われました。
南シナ海の島嶼で一方的な領有権主張を繰り返す中国とのあいだで緊張が高まっているなか、フィリピン軍の海洋状況把握能力を高め、「自由で開かれたインド太平洋」へのアメリカのコミットメントを示す狙いがあるようです。
トライトンは、アメリカのオーシャン・エアロ社が「世界で唯一」と誇る、水上・水中両用の自律型無人艇(AUSV)です。船体は全長4.4m、幅0.8mと発見されにくいサイズであるうえ、脅威や悪天候を察知すると自動で水深20m程度まで潜行して、これを回避します。
動力源は太陽光と風力のみ。水上を最大5ノットで30日間以上自律航行できるとされています。また、速度2ノットで5日間の連続潜行も可能なようです。
低コストで兵站の負担も軽いことから、広大な海洋と多数の島嶼を抱えるフィリピンにとって、持続可能な警戒監視能力を与える有望な装備であると言えるでしょう。
引き渡し式で在フィリピン合同軍事援助グループのオー大佐は、「これら無人能力が重要航路における状況認識を向上させ、フィリピンの防衛能力を支援します」と、トライトンの役割に期待を示しています。