合言葉は「きょうも自己ベスト」=雨の日も2時間、坂道ダッシュ―中村敬斗選手、幼少期からのトレーナー・W杯サッカー

AI時代の主役 NAND型メモリとは

 サッカーのワールドカップ(W杯)で1ゴール1アシストを記録し、世界に確かな爪痕を残した日本代表の中村敬斗選手(25)。英データ会社オプタによる1次リーグのベストイレブンにも選ばれた。「きょうも自己ベスト」。中村選手には、トレーナー花嶋義広さん(44)との合言葉がある。幼少期から心身のケアに携わってきた花嶋さんが成長の軌跡を語った。
 出会いは中村選手が小学生低学年の頃。マッサージを担当していた同選手の母親から、股関節を痛めているので診てほしいと相談を受けた。第一印象は真面目。施術中も「どうしたら(元ブラジル代表の)ロナウジーニョみたいな柔らかい動きができるか」などと質問を重ねた。
 足首や股関節が硬く、ストレッチするように指導すると、就寝前に毎日1時間、取り組むようになった。今では本人が「やらないと寝られない」と話すほどになっているという。
 優しく控えめな性格だったため、「根性を付けよう」と小5の時に坂道ダッシュを提案した。数十メートルの坂を10~20本走ったとの報告には「そんな本数では意味がない」とハッパを掛けた。
 日々の記録更新を意識させようと、「きょうも自己ベスト」を合言葉にした。すると、中村選手は想像以上の回数をこなすようになり、中学時代には雨の日に2時間かけて150本走り込んだこともあった。後に本人が「あれは本当に苦痛だった」と明かしたという。
 やり過ぎを懸念した花嶋さんが休むことを勧めると、「下手になる気がする」「周りに抜かれてしまう」と口にした。既に精神面は鍛えられ、今度は休ませるのに苦心するようになった。
 現在も週1~2回、電話で連絡を取り、状態の確認と助言を続けている。年に2回は所属クラブのあるフランスを訪れ、約2週間にわたり生活を共にしながら体と心のケアに当たる。
 中村選手は2023年の渡仏以降、リフレッシュの仕方を覚え、「サッカーしか頭になく、余裕がなかった状況に変化が見られる」という。専属料理人とゲームで勝負し、無邪気に笑う姿も見せるようになった。花嶋さんは中村選手が「心身を休めることを覚えてくれてよかった」と目を細めた。
 ブラジル戦に敗れた後、花嶋さんは「この悔しさをバネに、また4年後に向けて頑張ってほしい」とさらなる飛躍を願った。 
〔写真説明〕決勝トーナメント1回戦のブラジル戦で、ボールを追う中村敬斗選手(右)=29日、米ヒューストン
〔写真説明〕サッカー日本代表の中村敬斗選手のユニホームを手にする花嶋義広さん=5月8日、千葉県我孫子市
〔写真説明〕サッカー日本代表の中村敬斗選手が自主練習で履きつぶしたシューズ(家族提供)
〔写真説明〕リフティングする小学1年生の時のサッカー日本代表中村敬斗選手(家族提供)
〔写真説明〕サッカー日本代表の中村敬斗選手(右)と花嶋義広さん=4月、フランス・ランス(花嶋さん提供)