NEXCO東日本が、東北道の浦和本線料金所での「車両制限令」違反車両の取締りの様子を報道陣向けに公開しました。この日は、上限値を2倍近くオーバーした車両も確認されました。
「目利き」によって大幅な重量違反を確認!
NEXCO東日本 関東支社は2026年6月30日、埼玉県にある東北道の浦和本線料金所で「車両制限令」などに違反する車両の取り締まり業務を報道陣向けに公開しました。
この取り締まりで特に重視されたのは、車両の幅、重量、高さなどの基準である車両制限令への違反です。とりわけ、重量制限を超過した大型車両が対象となります。
車両制限令は過積載と混同されがちですが、過積載は道路交通法によって警察が取り締まるもので、車検証に記載された最大積載量を超えていないかが基準となります。一方、車両制限令は道路法で定められているもので、重さについては積み荷だけでなく、車両本体や乗員など全てを含んだ「総重量」が基準です。
そして取り締まりは警察のほか、道路管理者も行うことが許されています。各高速道路会社などでは通称「車限隊(しゃげんたい)」と呼ばれる専門部隊を編成しており、交通事故のみならず、道路施設の保全・損傷防止に取り組んでいます。
なお車両の仕様によって変動するものの、高速道路における総重量は25tが上限です。これを超える車両が通行するには、事前許可を申請する必要があります。
浦和本線料金所で今回行われた取り締まりでは、料金所とその手前に「選定員」を配置。疑わしい車両は隊員同士で連携して、料金所の横にある計測所へと誘導します。
この選定員は、主に目視で違反の可能性がある車両を見極めているとのことです。NEXCO東日本の担当者は「長年のノウハウを活かし、タイヤの沈み具合や車体の揺れ方などから判断している」と説明します。
この日は2台のトラックが計測対象となり、実際に重量を測ったところ、2台とも総重量の超過が確認されました。なかでも1台は総重量が約47tと、上限である25tの2倍近くを記録。さらに両車とも通行許可を受けていなかったため、その場で車両制限令への違反が認定されました。
近年の問題は「SNS拡散」と「外国人の違反」
ちなみに車両制限令違反が認定されると、ドライバーには「措置命令書」が交付され、速やかに安全な場所で積み荷を降ろす「減載措置」などが指示されます。
具体的には、最寄りのインターチェンジなどで高速道路を降り、安全な場所で減載を行う必要があるとのことです。さらに後日、措置を実施したことを写真で撮影したうえで、書面によって報告することも求められています。
NEXCO東日本によると、車両制限令への違反件数は増加傾向にあるそうで、関東支社の管内では2025年度に530件の違反を認定したといいます。その一方、近年はSNSなどで取り締まり情報がすぐに拡散されてしまうそうです。
「(取り締まりが)始まって数十分経ったら、下道を通るなどして回避するケースもあり得るので、我々も時間帯などを工夫しながら行っています」(NEXCO東日本 担当者)
加えて、近年は外国人ドライバーによる違反も目立っているとのことで、担当者は「なかには日本語が話せないドライバーもいるので、その際はスマホの翻訳アプリや、ドライバーに日本語が話せる人を連れてきてもらってやり取りすることもあります」とも話しています。
最後に、取り締まりの現場を指揮するネクスコ・パトロール関東の小野田正人隊長は、今回の取り締まりについて次のようにコメントしました。
「車両制限令という言葉を耳にする機会があまりなく、世間的な知名度もまだまだ低いと感じています。今後も車両制限令の認知度の向上を図るとともに、“重量超過は悪である”という意識の向上も図っていきたいと思います」