「積み上げたことぶつけて」=「マイアミの奇跡」で得点、伊東輝悦さんがエール―ブラジル人記者も対決に警戒・サッカーW杯

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 サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会で、日本は決勝トーナメント1回戦で「王国」ブラジルと激突する。30年前、アトランタ五輪でブラジルを撃破し、「マイアミの奇跡」と呼ばれた勝利の立役者で、元日本代表MFの伊東輝悦さん(51)は「今まで積み上げてきたものをぶつけてほしい」とエールを送る。
 1996年7月21日、アトランタ五輪1次リーグで、日本は格上だったブラジルと対戦した。下馬評で圧倒的不利と言われる中、伊東さんは「スタッフから相手を分析した情報をもらい、心身のコンディションもよく自信を持ってピッチに立てた」と振り返る。猛攻をしのぎ続けた後半27分、前線へのロングボールのこぼれ球を伊東さんが押し込みゴール。1―0で勝利した。
 当時の勝因を「守りっぱなしじゃなく、ボールを持って攻める場面も作れていた」と分析。「あまり受け身にならずに戦えていた」と語った。
 30年の歳月で、日本代表は大きな進化と変化を遂げた。当時は国内でプレーする選手しかいなかった代表も、今ではほとんどが海外クラブに所属。伊東さんは「当たり前のように海外でプレーしていて、経験値が圧倒的に違う」と指摘する。
 一方、今も変わらないのは「チームの雰囲気の良さ」だという。96年当時も「ヒデ(中田英寿さん)や松田直樹(故人)みたいな新しい刺激が入ってきて雰囲気は良かった」と回顧。現在の代表も空気の良さは映像から伝わるといい、「日本代表はグループになって戦えるのが強み。(ブラジル戦も)良い結果になるんじゃないか」と太鼓判を押した。
 日本サッカー史に刻まれる「奇跡」から30年。「今回勝てばまた奇跡か」と問われ、「日本の実力も間違いなく上がっている。もう奇跡とは呼ばないんじゃないか」とにやり。「当時とは状況が全く違う。あれから何十年とたってどうなるのか、楽しみでしょうがない」と勝負師の顔をのぞかせた。
 「マイアミの奇跡」は当時、王国にも大きな衝撃をもたらした。ブラジルのテレビ局バンデランテスのスポーツ記者エリア・ジュニョル氏(67)は、試合のことを「よく覚えている」と振り返る。当時のブラジル代表は、ロナウドやロベルトカルロスらのスター選手を擁する「素晴らしいチーム」だったと強調した上で、一瞬の隙を逃さず得点した日本のプレーを称賛した。
 その上で、この30年で日本代表は大きく改善したと断言。W杯での対決については「ブラジルが優勢だが、日本は俊敏。特にカウンターアタックに注意をしないといけない」と指摘した。 
〔写真説明〕「マイアミの奇跡」の立役者となったサッカー元日本代表の伊東輝悦さん(清水エスパルス提供)
〔写真説明〕アトランタ五輪のブラジル戦でゴールを決めた元日本代表の伊東輝悦さん=1996年7月、米マイアミ
〔写真説明〕アトランタ五輪サッカー男子でブラジル戦に臨む日本代表=1996年7月、米マイアミ
〔写真説明〕ブラジルのテレビ局バンデランテスのスポーツ記者エリア・ジュニョル氏(本人提供、へナート・ピズット氏撮影・時事)