「頼んだぞ」欠場決定の盟友・久保建英の想いも背負い…W杯デビュー弾の中村敬斗、稲本潤一以来の2戦連発で日本代表を勝利に導く

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「チュニジアは監督が替わって非常にモチベーションが高く、死に物狂いで戦ってくると思います。我々も1戦目のダラスの空調が効いた試合とは環境が全く違う。暑い中での試合になるため、選手にとっても非常に厳しい環境になると考えています。しかしながら、それを想定して事前キャンプをモンテレイで実施しました。暑熱対策と街の環境を経験しているので、選手たちは落ち着いて思い切ったパフォーマンスを出してくれると思っています」

 FIFAワールドカップ2026 グループステージ第2戦チュニジア代表戦を控え、日本代表の森保一監督が現地19日午前に公式会見に臨み“鬼門の2戦目”で今大会初勝利を貪欲につかみに行く強い意欲をのぞかせた。しかしながら、初戦のオランダ代表戦で久保建英が左ひざを負傷。チュニジア戦はチームに帯同せずにナッシュビルに残って調整することになった。攻撃陣の戦力低下が懸念されている。

 森保監督は久保について言及を避けたが、現有戦力でチュニジアの堅守をこじ開け、ゴールを奪い、勝ち点3を手に入れる必要がある。それはチーム全員が強く認識している点に違いない。

「彼のアイディアや創造性といったスペシャルなところが次の試合にはないということで、チャンス的にもちょっとどうなのかと思いますけど、今いるメンバーでやるしかないし、ベストを尽くすのが日本代表。久保選手も『チュニジア戦は頼んだぞ』と言っていました。勝てばグループ突破が決まると思いますし、何も心配していません」

 こう語気を強めたのは、今大会日本代表の初得点を挙げた中村敬斗。U-15日本代表時代から長年共闘し、強い絆で結ばれている盟友のためにも、2試合連続でゴールを奪い、日本を勝利に導くつもりだ。中村にとってのアドバンテージは。フランスで3年間アフリカ出身選手たちと日常的に対峙してきた国際経験値。これまでの日本人選手はアフリカ勢の独特のリズムや身体能力に戸惑うケースが多かったが、そういった心配は一切ないという。

「フランスはアフリカ出身選手しかいないようなリーグなので、僕自身慣れています。チュニジア、アルジェリア、モロッコ、コートジボワールとか、アフリカ全般の選手と毎日やっていたので、あまり気にならないですね」と本人は涼しい顔を見せていた。「(集中が)切れる時があるかなと。一度崩れ始めたら一気に崩れる。それは自チーム含めてそうでしたね(苦笑)。だからこそ、早い時間帯のゴールが大事かなと思います」。中村はこうも発言。スタートから遠慮せずに畳みかけていく重要性を強調した。

 確かにチュニジアとの初戦で5−1と大勝したスウェーデン代表も、開始7分に相手のミスからヤシン・アヤリが先制点を叩き出し、大量得点を奪うことに成功した。そうしたチュニジアの隙というのは、指揮官がサブリ・ラムシ監督からエルヴェ・ルナール監督に替わっても修正できないはずだ。日本としては“先手必勝”で乗り切りたいところだ。

 そのためにも、サイドからの局面打開は重要なポイント。特に左サイドは中村の巧みな駆け引きとドリブル突破が鍵になる。3月のイングランド戦、そしてオランダ戦のパフォーマンスを見れば、ルナール監督も日本の背番号13を徹底的にマークしてくると予想されるが、それでも中村にはフランスでの3年間を筆頭に欧州で地道に積み上げてきた実績と自信がある。そこは絶対的な強みに他ならない。

「引いた相手に対しては、ドリブルや連携、ミドルシュートも大事になってくる。クロスもそうですね。単調じゃなくて、多彩なパターンを見せられたらいいと思います。仮に0−0の状況が続いたとしても、焦れるとカウンターが怖いし、自分たちのクオリティが下がってしまう。試合は90分ありますし、僕らがボールを持つ時間が長くなると思うので、しっかり攻めきれれば問題ない」と中村は目をギラらつかせた。

 ワールドカップは今大会が初出場ながら、大舞台でもここまで強気のマインドを貫けるのが中村のすごさ。ある意味、第2次森保ジャパンの進化を象徴する存在とも言える。日本代表が過去のワールドカップで苦しんできた“2戦目のジンクス(通算1勝3分け3敗)”も軽々と突破してしまいそうな予感がする。本人も「ただただ歴代2戦目に勝っていないというそれだけの話。全然気にしなくていいんじゃないかな」とコメント。その物言いが非常に頼もしい。

 中村ら新世代がグングンと成長し、日本代表を押し上げていけば、久保ら主力アタッカーの離脱という困難を乗り越えられるはず。背番号13には稲本潤一以来の2戦連発、本田圭佑、乾貴士、堂安律に続く1大会2得点を現実にし、スターダムにのし上がってほしいものである。

取材・文=元川悦子

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