昨年に全国で発生した山岳遭難者は3623人(前年比266人増)で、統計の残る1961年以降で最多だったことが18日、警察庁のまとめで分かった。件数は3122件(同176件増)で過去2番目。死者・行方不明者は332人(同32人増)だった。訪日客では件数、人数とも2018年以降で最多を更新した。
遭難者が多かったのは、秩父山系(171人)、丹沢山塊(168人)、高尾山系(106人)など。富士山は登山規制の導入などで、前年比34人減の49人だった。都道府県別では長野の392人が最多。北海道250人、山梨219人と続いた。
遭難者の半数近くは60代以上で、70代が749人と最多。死者・行方不明者では60代以上が約3分の2を占め、体力面などから被害が大きくなる傾向がみられた。登山届を出していたのは698人で、2割に満たなかった。
訪日客は前年比111人増の246人(うち死者・不明者6人)。未整備の雪山を滑る「バックカントリースキー」と登山が約8割だった。
全体の遭難原因では、道迷いや転倒、滑落が大半。クマ襲来に起因したものは27件で、前年の3倍に急増した。クマを警戒して出控えたのか、キノコや山菜採り中の遭難は2割減少した。
同庁担当者は「十分な計画と準備、登山届の提出が大切だ」と強調。スマートフォンの全地球測位システム(GPS)機能や登山地図アプリの利用者も増えているが、バッテリー切れや通信エリア外のトラブルも多いといい、「過信せず、紙の地図やコンパスの併用を」と呼び掛けている。