ロッキード・マーティンは、ドイツ空軍向けのF-35A初号機にエンジンが搭載されたと発表しました。当初は導入しない方針でしたが、紆余曲折を経て採用が決まった同機、どのような経緯があったのでしょうか。
2026年後半に初飛行を予定
アメリカの大手防衛関連企業であるロッキード・マーティンは2026年6月4日、同社がアメリカ国内の工場で製造中のドイツ空軍向けのF-35A「ライトニングII」初号機に、同機の心臓部ともいえるF135エンジンが取り付けられたと発表しました。
この機体は、2024年12月にテキサス州のフォートワースにあるロッキード・マーティンのF-35製造施設において製造が開始されたもので、現在は最終組立の工程にあります。この後、機体は塗装および仕上げ工程(ステルス性能を高めるコーティングを含む)を受けます。その後、2026年下半期に予定されている初飛行および公式ロールアウト式典へと進む見込みです。
F-35Aは、ドイツ連邦軍が初めて保有するステルス能力を備えた、いわゆる「第5世代戦闘機」に分類される機体です。
当初ドイツ連邦軍は同機を導入せず、ユーロファイター タイフーンの改良による延命を図りつつ、一世代先となる第6世代戦闘機であるFuture Combat Air System/将来戦闘航空システム(FCAS)の配備を待つ方針でした。
しかし、トーネードの老朽化が想定以上に進んだことに加え、FCASが共同開発国フランスとの対立により大幅に遅延、あるいは計画自体が不透明となったため、「プランB」としてF-35Aの導入に踏み切りました。現在のところ、ドイツ空軍では35機のF-35Aを導入する予定です。