「潜水艦が造れません…」米国の“お家事情”が豪州を直撃! 原潜取得計画が変更に! これで大丈夫か!?

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アメリカがオーストラリアに対し、現在運用中のバージニア級原子力潜水艦3隻を売却することが、2026年5月30日に明らかとなりました。

そもそも簡単に譲渡できる状況なの?

 アメリカがオーストラリアに対し、現在運用中のバージニア級原子力潜水艦3隻を売却することが、2026年5月30日に明らかとなりました。

 この発表は、シンガポールで開催されていた「AUKUS(オーカス)」の会合において、米英豪3か国の共同声明として行われました。

 この3か国協定の下で、アメリカは2030年代から複数のバージニア級攻撃型原子力潜水艦をオーストラリアに売却する予定です。その間、オーストラリアは自国で原子力潜水艦を建造・維持するためのインフラ整備や人材育成を進める方針です。

 これまでの計画では、オーストラリアは新造のバージニア級ブロックVII型を1隻と、すでにアメリカ海軍で運用中のブロックIV型バージニア級潜水艦2隻を取得する予定でした。さらにその後には、イギリスとオーストラリアが共同開発する新型原子力潜水艦「SSN-AUKUS」が就役する計画となっていました。

 今回の変更の背景には、オーストラリア側が将来運用する潜水艦の種類を減らしたいという事情に加え、アメリカの原子力潜水艦建造能力に対する懸念があります。

 現状のスケジュール通りにオーストラリアへの潜水艦供与とアメリカ海軍向けの建造を両立するためには、年間2.33隻の攻撃型原潜に加え、戦略原潜であるコロンビア級を年間1隻建造する必要があります。しかし現在のアメリカの造船業界は、サプライチェーンの混乱や熟練工不足などの影響を受けており、攻撃型原潜の建造ペースは年間約1.3隻にとどまっています。そのため、新造艦を待った場合、オーストラリアの潜水艦計画が大幅に遅延する可能性もありました。

 さらに、オーストラリア海軍が現在運用しているコリンズ級潜水艦の老朽化も深刻な問題となっています。同級は6隻すべてに延命改修が施され、2040年代までの運用が想定されていますが、大きな遅延が何度も発生した場合、長期運用に伴うリスクを指摘する声もあります。

 今回、提供される3隻がいずれも中古艦となったことで、オーストラリア海軍はより早い段階で原子力潜水艦を確保できる可能性が高まりました。その結果、コリンズ級潜水艦への依存期間も短縮される可能性があります。共同声明でも、「2030年代初頭にバージニア級潜水艦をオーストラリアへ移転するための余地は十分にあるという確信を持っています」と説明しています。

 ただし、アメリカの潜水艦建造能力については現時点でも抜本的な改善策が見えておらず、アメリカ海軍も現役艦を容易に譲渡できる状況にはありません。そのため、今後の計画の実現性については依然として不透明な部分が残っています。

 この件について、オーストラリアのリチャード・マールズ国防相は、「アメリカの産業基盤が抱える課題は十分承知しています。しかし、それは2023年に最適な移行計画が発表された時から分かっていたことです。そのため私たちは生産能力向上を支援するため、同国の産業基盤に資金を提供しています」と述べ、オーストラリアとして可能な支援を行っていることを強調しました。