海自の護衛艦よりデカい!! 前澤友作氏の巨大ヨット「ナウシカ」誕生 “船籍は日本じゃない⁉” ほどなく来日、でも課題が

米国で進む二次元コード革命とは

実業家の前澤友作氏がドイツの造船所に発注していたスーパーヨット「ナウシカ」が2026年5月に引き渡されました。全長114.2mと、海自の護衛艦を上回る巨体にプールやヘリパッド、潜水艇ドックまで備えた、まさに“洋上の宮殿”です。

潜水艇にプール、ガラスドームの書斎まで!?メガヨット「ナウシカ」が規格外すぎた

 ファッション通販大手ZOZO(ゾゾ)の創業者としても知られる、実業家の前澤友作氏が発注したスーパーヨット「NAUSICAÄ(ナウシカ)」が2026年5月、ドイツの造船所リュールセンから引き渡されました。ヨットと聞くと小型船のイメージがありますが、「ナウシカ」の場合は全長114.2mと海上自衛隊のあぶくま型護衛艦(全長109m)よりも大きく、スーパーヨットの中でもメガヨットやギガヨットとも呼ばれている種類の船になります。

 世界的に見てもこの規模のスーパーヨットは非常に珍しく、今後、日本へ寄港した際などには大きな話題になることでしょう。

「ナウシカ」はリュールセンの創立150周年を記念する「プロジェクト・コスモス」として建造が進められていました。総トン数は6593トンで、全長は前述したように114.2m、幅は18.7mあります。船籍はイギリス領バミューダ諸島です。

 6つのデッキ(階層)を持ち、長距離・遠洋航海を前提とした設計が取り入れられているほか、耐氷構造(アイスクラス1D)が施されているため、軽い氷海域であれば安全に航行が可能です。このため、北極と南極を含めた世界5大洋と7大陸すべてを冒険できる能力を秘めています。

 ブリッジ(船橋)の前方にはヘリコプターの発着に対応するためヘリパッドが設けられ、船尾側には全長12.5mのフィッシングボートなどをそのまま格納できる「ドライドック」も備えられています。さらにジェットスキーや潜水艇も搭載が可能です。

 巡行速力は20ノット(約37km/h)。ディーゼル発電機を回し、そこで生まれた電力で完全電動式のアジマス・ポッドを駆動させる電気推進システムを採用しています。加えて、メタノールを水素に変換して発電する燃料電池システムまで試験的に導入しています。

ガラスドームの書斎にプール、サウナ…贅を尽くした洋上の宮殿

「ナウシカ」のデザインは内外装ともに世界的なプロダクトデザイナーであるマーク・ニューソン氏が手掛けました。船首から船尾にかけての流れるようなシルエットと、グレーを基調とした船体にキャビンデッキを囲む黒いガラスの帯が外観上の大きな特徴となっています。

 船体の最上部にはスカイテラスを備えた巨大なガラスドーム型の書斎が設けられています。リュールセン社は、水晶のように透明な厚い特大ガラスを美しく曲げるため独自の技術を開発。これにより、遮るものが何もない360度のパノラマビューを実現しました。なお、この書斎とスカイテラスは、オーナー専用のプライベートスペースとして使われます。

「ナウシカ」は最大18人のゲストと36人の乗組員の乗船に対応しており、客室数はゲストルームを含めて9部屋、クルー用の寝室27部屋が用意されています。こうしたプライベート空間に加えて船内にはスイミングプールやジャグジー、サウナ、ジムなど、最高級ホテルに比肩する設備を設けています。

 船首のヘリパッドの下にはガラス張りの展望ラウンジを、船尾には広々としたメインデッキを見下ろせるガラス製の手すりを備えたオープンバルコニーまで配置されています。

 ここまで贅を尽くした「ナウシカ」を送り出したことに対し、リュールセン社のピーター・リュールセンCEO(最高経営責任者)は「当社の歴史に消えることのない足跡を残すヨットの1つだ」と、その出来栄えを絶賛しています。

まもなく来日の予定! しかし国内マリーナには「デカすぎる」問題も

 2026年5月現在、全長100mを超えるスーパーヨットは、全世界に79隻しかいません。なかでも最も大きいのはリュールセンが建造した全長180.6mの「アザム(Azzam)」です。同船は、総トン数1万3136トン、最高速度30ノット(約55.6km/h)以上と規格外のスペックを誇っています。

「ナウシカ」はこうしたスーパーヨットよりは小さいものの、それでも日本では受け入れ場所の問題をはらんでいます。

 一時的な寄港であれば、東京港なら東京国際クルーズターミナルや晴海客船ターミナル、横浜港なら大さん橋国際客船ターミナルや新港埠頭が対応可能です。実際、スーパーヨットの「モーターヨットA」(全長119m)が横浜に寄港した際は新港埠頭に入りました。

 しかし、問題は長期の係留でしょう。現時点で日本最大のヨット係留施設を持つのは、横浜ベイサイドマリーナ(横浜市)です。ただ、ここはメガヨット対応をうたっているものの、そのサイズは150フィート(約45.7m)までが限界です。

 これを超える大型艇専用マリーナについては神戸港(神戸市)で整備が進められており、こちらは「スーパーヨット・ベース神戸マリーナ」として2027年春に全面オープンする予定です。このほか横須賀市の浦賀地区や三浦市でもスーパーヨットに対応した施設の計画がありますが、早くても2029年以降の整備となります。

 発表によると、スーパーヨット「ナウシカ」は2026年9月ごろ日本へ寄港する予定です。ギガヨットを迎える日本のインフラ課題も含めて、最初の寄港地がどこの港になるのか、今後大きな期待が膨らみます。