安定回復も今後が正念場=李政権1年、識者に聞く―韓国

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 【ソウル時事】韓国の李在明政権は4日、発足から1年を迎える。政権は高支持率を維持し、一見順風満帆に見えるが、実際はどうなのか。韓国政治学会会長などを歴任した康元沢ソウル大教授に李政権の評価と今後の課題について聞いた。
 ―政権1年の評価は。
 尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言以降、不透明感が強かった政治・社会の安定を取り戻したのは評価すべき部分だ。政治の分断、政党間の敵対心が強い状況の中、支持率も高い。
 ―中道志向が奏功しているのか。
 (革新系の)文在寅元大統領、保守の尹前大統領は理念的だったが、李氏はそういう面は強くない。
 政治的に敏感なテーマを与党に任せている面もある。何より、保守系野党が支離滅裂であることが大きい。京畿道知事、城南市長と行政実務経験があるのもプラスになっている。
 ―対日関係も安定している。
 中国が台頭し、米国も昔のようには全面的に依存できない。韓日が互いに必要としている状況だ。
 ―韓国政治の分断は緩和されたか。
 そうは思えない。国会での与野党の関係は非常に悪い。多数議席を占めている与党が好き勝手にやっている状況。政権2年目もこのままなら問題だ。統一地方選が終われば野党も立て直しを図るだろう。政権2年目はもう少し強い野党と向き合うことになる。
 ―司法への強硬姿勢が目立つ。
 100%大統領の意思だと思う。李氏が自らが抱える刑事裁判に関して、非常に神経質になっているようだ。李氏の重要な役割は、民主主義を修復させることだったはずだが、そうなっていない。司法や検察の力を弱めれば、政権の腐敗につながり、スキャンダルも起きやすくなる。
 これまでの1年は、尹氏の影が残っていたため、李氏や与党に有利な状況だった。けん制する勢力が事実上いないのが問題で、与党にはおごりが出てきている。
 しかし、「内乱勢力」というレッテル貼りの効果も薄れてきた。これ以上大統領支持率を上げるのは難しく、今回の統一地方選は与党が勝ったとしても、2年後の総選挙はどうなるか分からない。 
〔写真説明〕インタビューに応じる康元沢ソウル大教授=5月13日、ソウル