欧米接近の首相にロシア圧力=アルメニア議会選まで1週間

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 6月7日投票の旧ソ連構成国アルメニアの議会選(一院制、任期5年)まで1週間。パシニャン首相は欧米との連携強化を急速に進め、続投を狙う。アルメニアを「勢力圏」と見なすロシアは離反に猛反発しており、エネルギー面の優遇を見直す可能性を示唆。緊張が高まる中での選挙となる。
 選挙戦の最大の争点は対外政策だ。パシニャン氏率いる与党「市民契約党」は欧米重視だが、野党はロシアとの関係維持を訴える。今月22日公表の世論調査によると、与党の支持率は約29%で、最大の野党連合「強いアルメニア」の約15%をリード。ただ、2021年の前回選挙で市民契約党は単独で過半数を得ており、人気に陰りも見える。
 アルメニアの「ロシア離れ」は、20年以降に再燃した隣国アゼルバイジャンとの領土紛争の敗北が契機となった。プーチン政権から支援を得られず不満を募らせたパシニャン氏は、ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」の脱退を宣言した。
 ロシアに代わり、連携を深めているのがトランプ米政権だ。アルメニアとアゼルバイジャンは25年8月、米国の仲介で和平に向けた共同宣言に署名。アゼルバイジャン本土と飛び地をアルメニア経由で結ぶ輸送回廊「トランプ・ルート」の建設や、重要鉱物の供給に関する協力でも合意した。
 アルメニアは欧州連合(EU)への接近も進め、ロシア側は激しく反発している。ロシア中心の経済同盟「ユーラシア経済同盟(EAEU)」に既に加盟しているからで、プーチン大統領は4月、パシニャン氏との会談で「(EUとの)両立は不可能」とけん制。EAEUから離脱すれば、国内消費の約8割を依存するロシア産天然ガスの優遇価格を取りやめ、大幅に値上げすると警告した。
 プーチン氏は5月29日にも、EAEU首脳会議が開かれたカザフスタンで、侵攻を続けるウクライナを引き合いに「(同国の)危機はEU加盟を試みた時から始まった」と言及。ロシア外務省は30日、アルメニアのEU接近について協議するとして同国に駐在する大使の召還を発表し、選挙直前に激しい揺さぶりを続けている。 
〔写真説明〕アルメニアのパシニャン首相(左)とロシアのプーチン大統領=4月1日、モスクワ(AFP時事)