キリンチャレンジカップ2026のアイスランド戦を翌日に控え、日本代表は試合会場である国立競技場で前日練習を実施。練習後、LAギャラクシー所属のDF吉田麻也が取材に応じた。
鎌田大地がUEFAカンファレンスリーグ決勝出場の関係などで、日本でのワールドカップへの事前キャンプおよびアイスランド戦の合流が不可になり、吉田が日本での活動限定で日本代表に追加招集となった。森保一監督はこの日の会見で、吉田の先発出場と、約10分間でのプレータイムで交代とし、これまでの吉田の日本代表への貢献を称えることを行うと明かした。
代表引退は明言していない吉田だが、「一区切りは一区切り」とし、この申し出を受けたことの理由が二つあり、「森保さんと日本サッカー界からの気持ちを、自分は恐縮ながら受け止めるということ」「前にも話しましたが、ワールドカップのため、勝つ確率を上げるために、自分の持っているものをチームに注入するために来た」と挙げ、「明日は時間は短いですけど、今持てるものをすべて、その10分に懸けて、ワールドカップのつもりで頑張ります」と、力を込めた。
功績を残した選手を称える取り組みになるが、日本代表では異例と言えるセレモニーとなる。吉田は「今までこういう選手がいなかったので、自分自身が本当にやっていいものなのかという葛藤ももちろんありました」と、悩んだことを明かしつ、「長い目で見て、例えば100試合出たとか、そういう選手に対して、イングランドであれば“サー”であったり、“OBE”というようなものをもらえますし、まだまだ国から表彰されるというレベルではないかもしれないですけど、まずは協会がしっかりと、選手が日本のために戦ってきたことに関しての敬意を示してくれることは、僕だけではなく、これから実績を積んだ選手のためにもなると思うし、それが一つの文化や伝統として、日本サッカーにつながっていければいいなと思う」と、日本サッカー界の歴史として、価値をさらに高めていくためにも大切なことだと続けた。
自身はFIFAワールドカップカタール2022以来、約3年半ぶりの日本代表活動となっている。「離れてこそ、失ってこそ気づくものがあるっていう。恋愛じゃないですけど(笑)。それを本当にひしひしと感じていて。いかに自分が恵まれていたかを30代後半で気づかせてもらえたので、サッカーだけではなく、自分の人生においてもすごく役に立つんと思います」と刺激を受けている様子。「元々感じたり、思ってはいましたけど、これ以上の仕事はないなっていうのを改めて。やっぱり離れたら、『最高だよな、この仕事は』っていう感じです」と、感慨深さも残している。
今の代表選手たちは「目線は確実に4年前より上がっているし、もっと言うと10年前より断然上がっている。選手のステータスも上がっている。僕は現代表がずっと日本史上最高の代表であるべきと思っているので、まさにそうだと思います」と高く評価し、「僕はこの3、4日で感じたこととかを話させてもらいましたし、スタッフが外から選手を見るのと、同じ選手がロッカーや食事会場やピッチの中で感じるものは絶対に違うので。そういう意味では、(中村)俊輔さんや長谷部(誠)さんや、名波(浩)さんという、今まで代表で引っ張ってきた選手たちがいて、さらに僕が加わることで、総力戦でこのワールドカップを戦っていこうという監督の意志の表れだと思います」とコーチ陣含め、これまでのワールドカップ出場経験、海外でのプレー経験を持つ元選手たちの歴史や知見、経験を紡いでいくことの大切さについて触れている。
合間合間に冗談で取材陣を笑わせることも欠かさない“らしさ”も見せた吉田。「利他の心でできるものは何だろう、それはまだまだここにあると思ったので。自分が出たい気持ちはありますけど、その悔しさを押し殺さず、全面に出して、ギラギラして練習をしてきたつもりですし、繰り返しですが、明日は僕のワールドカップなので、ギラギラをぶつけたいです」と、改めて10分間と短い出場時間になる予定だが、そこにすべてを込めて、ワールドカップに向かうチームに思いを託したいと話している。