京急電鉄に、土休日のみの座席指定サービス「ウィングサービス」があります。一部快特の2号車のみが座席指定となるサービスですが、これとJR横須賀線のグリーン車を乗り比べました。
枕カバーが違う
京急電鉄には有料座席「ウィングサービス」のサービスが存在します。「モーニング・ウィング号」と「イブニング・ウィング号」は全車両座席指定の専用列車ですが、これとは別に土休日の一部の快特2号車に「ウィング・シート」が設定され、着席保証がなされています。
車両自体は普通の快特に使われる2100形電車で、座席指定車両も含めて設備は同じであり、関西私鉄に見られるような特別車両ではありません。そうした有料座席がどの程度利用されているのか、実際に乗車してみました。
ウィング・シートは土休日に泉岳寺~三崎口間を運行する一部の快特に設定されています。三崎口行きの下りは8本、泉岳寺行きの上りは7本です。座席指定料金は300円、車内購入の場合は500円と比較的割安です。
泉岳寺8時45分発の「ウィング・シート52号」で三崎口まで乗車することにしました。泉岳寺の列車案内表示には、列車名などの告知はなく通常の「快特三崎口行き」でした。車両は2扉オールクロスシートの2100形。大ベテラン車両ですが、美しく整備されており、新車と遜色ありません。
駅ホームの床に有料座席の案内があります。開いた側扉の前に係員が立ち、手元の端末でチケットを確認します。乗客がスマートフォンの画面を見せて乗り込む高速バス方式です。係員のいない方の側扉は誤乗防止対策として横断幕が張られていました。
「長時間」の需要をつかんでる?
泉岳寺から乗車したのは、筆者(安藤昌季:乗りものライター)以外1人のみでした。その女性は「チケットは品川から乗る友人が持っている」と説明していました。
品川8時47分着。座席指定の2号車には一気に21人が加わりました。品川からなら一般の席にも座れそうですが、需要の多さに驚きます。
車端部のボックス席にグループ客が陣取り「普通の車両と同じなんだね」という声も聞こえてきました。実際、枕カバー以外は通常の2100形快特と同じで特別感はありません。ただ、隣の車両にいる立客が2号車にはおらず、落ち着いた雰囲気。有料特急の感じはあります。車内放送ではウィング・シートの案内がなされていました。
窓も大きく、景色はよく見えます。快特なので加速力もスピード感も抜群。並走するJR線が見える車窓右側の席に座ります。
8時55分、京急蒲田に到着。一般車両だと思って乗り込もうとした乗客が係員に止められていました。ちなみにこれ以降の京急川崎・横浜・上大岡・金沢文庫・京急久里浜でも間違えて乗り込もうとした乗客がおり、係員の説明を受けていました。
8時59分の京急川崎で1人、9時6分の横浜で3人が乗車し、じわじわ増えていきます。横浜駅のホームは人でいっぱいでしたから、同駅から確実に座れるのは魅力なのでしょう。
9時17分の上大岡で1人乗車します。指定席に乗車できるのはこの駅までで、以降は下車のみです。金沢文庫と金沢八景で3人ずつ、横須賀中央で2人、堀之内で3人、新大津で1人とまんべんなく下車客がいます。
9時45分の京急久里浜で2人、9時54分の津久井浜で1人下車。9時56分の三崎海岸では下車客はいませんでしたが、係員がウィング・シートの表示を窓から外します。結局、終点の三崎口までは19人が利用し、長時間利用の需要をつかんでいる様子でした。
横須賀線グリーン車も意外な需要が
帰路は、品川・横浜~久里浜間で京急と競合するJR横須賀線の普通列車グリーン車を利用します。横須賀線は軍港・横須賀への需要から、現在のグリーン車となる二等車が戦前から連結されていた路線です。
13時44分、久里浜発。車両は最新のE235系電車。2階建てグリーン車座席はリクライニングシートでコンセントもあり、さすがに快適です。ただ、品川~久里浜間ならJRグリーン車は2230円(運賃+料金)、京急ウィング・シートは1010円(同)ですから、相当贅沢な乗り物だと感じます。
筆者が乗車した4号車は、久里浜を出発した時点で2階に3人が乗車しました。発車直後に男性アテンダントが車内販売に来ます。緑茶を購入しました。
隣の5号車グリーン車は乗客ゼロでしたが、横須賀から利用客の姿が。14時16分の鎌倉ではホームにロープが張られ、300人程度が待機していました。このうち外国人2人を含む5人がグリーン車に乗車しました。
14時23分の大船で1人、14時34分の東戸塚で2人と、小刻みな乗車があります。14時43分の横浜で1人下車・4人乗車。この4人はグループ客で、会話の雰囲気から成田空港まで行くようです。新川崎と武蔵小杉では乗車なし。ちなみに車内販売の巡回は6回ありました。
14時59分の西大井で1人、15時3分の品川で11人、15時9分の新橋で4人と、横須賀線区間の外で乗客を増やしているのが印象的でした。
なお、筆者は東京駅で下車しましたが、5号車から下車客がいないのが印象的でした。総武本線や成田空港方面の需要を感じた横須賀線グリーン車でした。