株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内の公園を散歩しながら投資談義を行っています。
T:まだ5月ですが、すでに真夏のような暑さが訪れています。5月18日には大分県日田市で最高気温35.3℃を観測し、今年初の猛暑日となりました。
神様:今年の夏も厳しい暑さになりそうですね。
T:報道によると、政府は夏の節電要請は行わないとのことです。中東情勢が緊迫化するなか、燃料確保が心配されるところですが、電力の安定供給には問題ないようですね。
神様:今年も空調をしっかり活用し、夏を乗り切りましょう。さて、温暖化の影響もあり、空調市場は世界的に成長しています。日本冷凍空調工業会が2025年に公表した2024年の世界のエアコン需要推定によれば、世界で最も需要のある地域は中国で、世界全体の38%程度を占めると推定されています。
T:世界の約38%ですか。確かに中国は人口も多いですし、経済成長も著しいので頷けますね。
神様:空調・エアコンには、主に住宅などで使用される家庭用空調・エアコンと、ビルなどの施設で使用される商用空調・エアコンがありますが、シェア比率は圧倒的に家庭用が占めています。一方で、ここ最近商用分野で注目されている市場があります。何かわかりますか?
T:商用ですか?何でしょうか?
神様:データセンターの空調です。
T:ああ、なるほど。生成AIへの対応ということですか。
神様:その通りです。2022年に生成AIが登場して以来、AIは日々進化を遂げています。AIの利用率は世界的に増加傾向で、世界中の人々の生活に広く浸透しています。また、米国のアマゾン、アルファベット、メタ、マイクロソフトといった巨大テック企業の設備投資額は増加傾向にあり、AI市場の拡大は今後も続いていくと考えられます。

T:最近はAIのデータ処理に必要なデータセンターの需要が増していますから、それに伴い空調の需要も増しているということですね。
神様:AIは膨大なデータを学習することで複雑な処理や高精度な予測をこなすので、データセンターが欠かせません。データセンターのサーバーが膨大なデータを高速で処理すると、サーバーから熱が発生します。その熱を冷ますために空調が必要なのです。環境省によると、データセンターの消費電力のうち、約半分がこの冷却に使われているのだそうです。
T:サーバーを冷却せずにいるとどうなるのでしょうか?
神様:サーバーの温度が上がりすぎると性能が低下し、処理速度が遅くなることがあります。また場合によっては制御不能に陥り、最悪の場合は故障します。サーバーには温度の閾値が設けられており、閾値を超えるとシャットダウンするように設計されているものもあります。
T:なるほど。多くの機械類と同じ弱点ですね。
神様:データセンターの冷却方法は空冷式が主流です。空冷式には空調機器が用いられますから、データセンターの需要増にあわせて商用空調機器の需要にも期待の目が向けられているのです。
T:投資先としては大いに期待できますね。
神様:総務省によると、世界のデータセンター市場は2023年に3,728億ドルでしたが、2029年には6,241億ドルへと拡大すると予測されています。空調機器がどこまで拡大するか、注目しましょう。

T:空調機器や関連する企業にとっては、今後の空調市場の”ヒートアップ”が楽しみですね。注目していきたいと思います。
(この項終わり。次回6/3掲載予定)
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