【インタビュー】「もっと良い選手になれる」 33歳で迎える2度目のW杯へ、伊東純也「できることをやるだけ。負けない自信はある」

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 伊東純也は33歳となった今シーズン、古巣であるゲンクに復帰し、負傷で10月から約2カ月離脱するアクシデントはあったものの、背番号10を背負って、レギュラーシーズンは18試合出場4得点2アシスト、プレーオフラウンドでは10試合出場2得点3アシストという数字を残した。

 その伊東はこの夏、自身2度目のワールドカップへと挑む。

 どういった思いを持って臨むのか。ここまでのキャリアを振り返ってもらいつつ、大会への意気込みを聞いた。

インタビュー=小松春生
取材日=2026年4月28日

■チャンスが来た。それを離したくなかった

―――今シーズンを振り返ると、いかがでしたか?

伊東 珍しくけがが多くて難しいシーズンでしたけど、今はコンディションも良くなって、得点にも絡めているので、良くはないけど、悪くはないシーズンだったと思います。けがは思ったより長引きましたが(10月中旬から約2カ月欠場)、今年に入ってから徐々に上がってきて、コンディション的には良いです。

―――昨年夏、スタッド・ランスでの日本ツアー時に「ワールドカップを見据えて」という言葉がありました。直後に過去在籍したゲンクへ復帰となりました。

伊東 昨シーズンは終盤にまたけがをしてしまっていて、うまく復帰できるためにどうしたらいいかなどを考えて、自分が過去にいたチームだからクラブのことも全部わかっているので決断しました。クラブの熱意もありましたし、このタイミングで戻ることが自分にとっても、ワールドカップに向けても一番良いと思って選択しました。懐かしい感じがありましたし、ファンの方も温かく迎えてくれたので、スムーズに入れましたね。

―――今回は伊東選手のここまでのキャリアについてうかがえればと思います。学生時代はプロ選手を視野に言えることが、なかなか難しかったと思います。

伊東 大学まで全国とかに出たことはなかったですけど、その場その場でうまくやっていたとは思います。サッカーは好きでやっていましたし、個人的には実力の部分で変な自信があったので、それがうまくいったと思います。高校ではスカウトに見てもらえる環境まで行けず、プロ入りは無理だったので。大学からは何校かオファーをもらって、大学に行って活躍してっていう感じですね。高校は全国に行けるレベルでやれていなかったですけど、大学ではレベルの高い関東1部でプレーする中で、全然やれるという感覚が1年生のときからあったので、そこで自信がつきました。やれることをやるだけですね。

―――柏レイソルから海外に行く決断のタイミングなどは、今振り返るといかがですか?

伊東 元々、海外に行きたい欲はなかったので。でも、日本代表に入ったタイミングと、柏がJ2に降格してしまったこともあって。あとは、一度代表に入って、「また入りたい」と考えたとき、海外でプレーしていないと日本代表には入れないくらいのレベルになっていたので、「自分も行かなきゃ」っていう感じでした。やらないといけないっていう思いでした。

―――また、代表に入りたいと思った要因は何ですか?

伊東 自分が代表になると思っていた人は、高校まで本当に0人だったと思いますし、大学でも思っていた人はいないと思います。でも、そのチャンスが来た。それを離したくなかったので。自分が海外に行って成長して、ずっと代表に入っていければと思っていました。日本を背負ってというか、誇りに思いましたし、やらなければいけないということは本当に感じていました。

■悔しさを晴らそうというのはある

―――森保監督体制で主力に定着した中で、2022年のワールドカップはどう振り返りますか?

伊東 あの時は個人的にも調子が良くて、アジア最終予選やワールドカップでもっと活躍したいという気持ちはありましたけど、個人的には得点を取れなかったことは、少し心残りとしてはあります。チームの戦いとしては悪くなかったと思います。でも結果は(過去大会と)同じところで負けてしまったので。個人の感覚的にはいつも通りできていましたけど、相手が相手だったので、ボールを持たれて守備をする時間が長かったので、やれることやるだけだったと思います。

―――ベスト16のクロアチア戦で敗れた後、今話されたように、チームが取るべき最善を考えたら守りからだけど、さらに上へ行くためには個を上げ、ベースが上がった中でやらないといけないと話していました。大会後の4年間、変わらずに意識してやって来られましたか?

伊東 そうですね。今でも多少持たれる時間はあると思いますけど、自分たちが持てる時間やカウンターの質は大事だと思います。チーム力も個の力も上がっていると思いますし、前回大会を経験した選手が今もまだ多くいるので、その悔しさを晴らそうというのはあると思います。

―――悔しさを晴らすということを伊東選手はどうとらえていますか?

伊東 自分の場合は本当に自分のできることをやるだけと思っていますし、個の力を上げるというよりは、自分の一番をそこに持ってくるところが今は重要だと思っています。コンディションさえ良ければ負けない変な自信は、さっきも話したように昔からありますね。

―――その自信の部分はどこで作り上げられたのでしょう?

伊東 元々、なるようになるみたいな感じで来たので(笑)。そこまで考えていないです。その環境、環境でベストを尽くしていくことしか考えていなかったです。

―――日本代表全体において、悔しさを晴らすという点での雰囲気はどう見ていますか?

伊東 ここ最近は親善試合ですけど、良い戦いができていると思います。一つひとつ、本当に緊張感を持ってやれていると思いますし、強い相手ともできているので、モチベーション高くやれていると思います。自分たちの力もうまく出せていると思います。でも、結局は本番なので。慢心せず、やらなければいけないと思います。

―――4年前から戦い方のバリエーションへの手応えはいかがですか?

伊東 持たれることはブラジル戦、イングランド戦などでやっぱりありましたし、その中でもうまく守ってからカウンターすることや、自分たちがボールを持てるときに少し握る時間を作ることは前回よりできていると思います。

―――できる手札が増えている。

伊東 そうですね。

―――2度目のワールドカップだからこそ表現できるものはありそうですか?

伊東 個人的にはすごく緊張するタイプではないので、普段通りやれればいいかなと思っていますし、前回よりうまく立ち回れると思います。

―――これまでチーム全体としてはけが人などがいる中で、大きな大会に臨んできました。そうなっても大丈夫なようにチーム力の底上げ、そして競争をうながしてきました。

伊東 そうですね。今まで出ていた選手がけがで抜けてしまうこともありましたけど、そういう時に新しい選手がチャンスを掴んで良いプレーをして、良い競争が生まれていると思いますし、良いチーム力ができていると思います。

■まだまだ成長できる

―――伊東選手は以前、「次のワールドカップが最後になるかもしれない気持ちでやっている」とお話されていたことがありました。前回大会の時も、「次の大会で選ばれるかはわからないが、結果は越えていってほしい」と話しています。心境はいかがですか?

伊東 自分から(代表を)辞めるということはないので。必要とされればいつでもやりたいとは思います。年齢的には前回大会はアタッカーの選手として29歳で臨んだので、(次は)結構難しいとは思っていたんですけど、今、33歳でもバリバリできているのは、自分的には「できる」と思っていましたけど、うまくやってこられたんじゃないかなと思います。やっぱり30歳とかになったらキツくなるのかなと思いましたけど、意外にいけたなって(笑)。

―――コンディションを重点的にやってきたところでもありますね。

伊東 そうですね。あと、より結果にこだわらないとすぐ「衰えた」と言われるので(笑)。より結果にこだわりつつ、良いコンディションで良いプレーをできればいいと思っています。

―――周囲のサポートはいかがですか? 33歳の誕生日にはインスタグラムでご家族への感謝にも触れていました。

伊東 家族はもちろんですし、今はチームメイトもそうですし、良いサポートを受けていますね。あとは今年入って、けがをしないようにとフィジオについてもらい、マッサージなどをしてもらっています。食事の面では奥さんがうまくやってくれています。

―――日本のサポーターの存在、力はどう感じられていますか? ゲンクにもたくさんの方が来ると思います。

伊東 サポーターは本当に多く来てくれますし、自分のユニフォームを着てくれている人もたくさんいるので、頑張らなければと思います。応援してくれる人、期待してくれている人の期待に応えたいというのはあるので、良いプレーをできるだけしたいです。

―――ここから選手としてありたい姿、達成したいものは何でしょうか。

伊東 年齢に関係なく、今までやってきたことを続けられるようにと思っています。相手を抜いたり、クロス上げたり、シュートを打ったり。全部やれればなと思っていますし、もっと良い選手になれると思っています。まだまだ成長できる部分もありますし、より良い自分を出せるようにしたいですね。

―――今大会、どういったものを発揮したいですか?

伊東 もちろん優勝を目指して頑張りたいですし、自分は前回得点できなかったので、得点して、チームが勝てればいいですね。

―――チームとして掲げる優勝へのトライはいかがですか?

伊東 優勝を目指しますけど、やっぱり一つひとつ目の前の試合が大事なので、そこに集中してやれればいいと自分は思っています。

【動画】伊東純也が語るワールドカップへの思い