開発が進められてきた米海軍の無人空中給油機MQ-25A「スティングレイ」が、ついに本格運用に向け、低率初期生産(LRIP)へ移行します。既存の戦闘機を「給油係」から解放し、空母部隊の戦力を底上げする世界初の艦載無人機について解説します。
低率初期生産で3機の製造をボーイングと契約
2010年代後半から開発が進められていたアメリカ海軍の無人空中給油機、MQ-25A「スティングレイ」の生産がいよいよスタートします。2026年5月19日、アメリカ海軍は、MQ-25Aが調達プロセスの段階の1つである「マイルストーンC」の認定を受け、低率初期生産(LRIP)の段階に進んだことを明らかにしました。本機はアメリカ海軍にとって初の、そして世界初の実運用型となる空母艦載用・無人固定翼機となります。
LRIPとは、本格的な量産体制に入る前に少数だけを製造する段階であり、設計の検証や生産ラインの整備、そして生産時におけるリスクの洗い出しを目的としています。2026年夏には、ボーイングとの間でロット1(3機)の調達契約が締結される見通しです。
アメリカ海軍の空母航空部隊では現在、F/A-18E/F「スーパーホーネット」戦闘機に給油ポッドを装着して空中給油任務を兼務させていますが、MQ-25Aがこの任務を担うことで、F/A-18E/Fを本来の攻撃任務に専念させることができるようになります。
海軍はプレスリリースで「F/A-18E/Fの機体寿命を維持しつつ、空母航空部隊の作戦範囲を拡大させ、艦隊全体の即応能力を向上させる」と、MQ-25Aによる戦力増強の効果を強調しています。MQ-25Aは今後LRIPを経て、フルレート生産(本格量産)へと移行する予定です。