クマの出没に伴い、小中学校が臨時休校になったり、休み時間中の外遊びが中止になったりする例が相次いでいる。クマを怖がった児童が欠席したケースもあり、各地の教育委員会などは教育活動の継続と安全確保の両立に頭を悩ませている。
広島市佐伯区では13、14日、住宅街などでの目撃を訴える110番が相次いだ。市教委などによると、事態を受け14日は市内で少なくとも11の小中高が臨時休校した。市教委の担当者は「市街地ではクマへの対応に慣れていないが、目撃情報があったから全て休校にするのも現実的でない。判断は難しく校長らは頭を悩ませている」と話す。
「まさかこんな町中に出るとは」。青森県庁近くの青森市立長島小の山下征子校長はこう振り返る。15日未明に近くで目撃情報があり、正面玄関の防犯カメラを確認すると門柱前を歩く体長約150センチのクマが映っていた。
長島小は同日、登下校を保護者による送迎にし、約1週間後の運動会に向けた練習も体育館で行った。週明け月曜日の18日も登下校に保護者が付き添ったが、怖がり欠席した児童もいた。山下校長は「教育活動がストップすれば児童もストレスになる。ただ制限はかけないといけない。ジレンマだ」と話す。
仙台市でも14、15日に目撃が相次ぎ、少なくとも小中6校が休み時間の外遊びや屋外での体育の授業を控えるなどした。登校に不安な児童らの自宅待機を認めた学校もあった。市教委の担当者は「いつ事故が起きてもおかしくない。子どもの安全確保が最優先だ」と力を込める。
福島県喜多方市でも15日朝、市内の小学校校庭をクマが横切るのが目撃された。クマは付近の林に居座ったため、この学校は急きょ登校中の児童を近隣の住宅や寺に避難させ、運動会の練習を含む屋外での活動を中止した。富山県滑川市では1日、目撃情報を受け小学校1校が臨時休校したほか、高校の屋外行事が1週間延期された。
影響は大学にも。盛岡駅から約2キロの岩手大上田キャンパス(盛岡市)では14日朝、体育館や学生寮近くでクマ1頭が目撃された。市は緊急銃猟の実施を決めたが、行方が分からなくなり中止に。大学は2時限目以降を休講とし、翌日はオンライン授業だけにした。大学の担当者は「学生の安全を最優先に対応するしかない」と話している。
〔写真説明〕捕獲されたクマ=12日、青森県黒石市(同市農林課提供)