ギガや“自動連結”クオンも登場 いすゞ&UDの巨大ブースの中身とは ジャパントラックショー2026

日本の貿易量の99.6%は船舶輸送

いすゞとUDトラックスが「ジャパントラックショー2026」に共同で出展。「エルフEV」から「ギガ」、トラクターの「クオン」まで、実車中心の展示を行いました。豊富なラインアップやサービスの詳細を見てみます。

大小トラックを5台も並べたいすゞグループのブース

 いすゞとUDトラックスが、2026年5月14日から16日にかけパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された「ジャパントラックショー2026」に共同で出展しました。実車中心の展示を行い、豊富なラインアップやサービスの紹介を行いました。

 国内トップシェアのいすゞは、2021年から傘下に収めるUDトラックスと合同の「いすゞグループ」として、場内最大となる巨大なブースを構成。「ともに創る、運ぶの最適」をコンセプトに掲げ、最新車両、純正用品、運用コスト最適化を実現するメンテナンスサービス、カーボンニュートラル化・自動運転・先進安全などの次世代技術分野への取り組み、いすゞとUDトラックスの連携がもたらす技術・事業シナジーによる総合力強化など、幅広いジャンルの展示を行っていました。

 目玉となる実車展示では、いすゞからは小型トラックの「エルフミオ」、小型EVトラック「エルフEV」、中型トラック「フォワード」、大型トラックの「ギガ」、そしてUDトラックスからはトラクター「クオン」の計5台を用意。いすゞグループの幅広いラインアップ全てを見ることができ、しかも運転席に座れることもあって、車両の周囲は人波が絶えない状態が続きました。

 幅広いバリエーションを誇るエルフの中でも、近年とくに注目を集めているのがエルフミオです。2017年以降の新しい免許制度により、普通免許で運転できる車両が「車両総重量(GVW)3.5t未満・最大積載量2t未満」とされ、さらに近年ではAT限定免許の取得が主流となっています。そこでいすゞはAT限定普通自動車運転免許で運転できる“だれでもトラック”のエルフミオを2024年に発売。大きな話題を呼びました。

 会場には冷凍バン仕様車も展示されていました。天井が低い建物などに入っていけるよう高さを抑えたバンボディを搭載。冷凍・冷蔵の両温度帯に対応した高性能冷却システムにより、高度な温度管理が求められる荷物を安全に運ぶことができます。

中型「フォワード」と大型「ギガ」 お披露目された装備とは?

 エルフEVは2023年に発表された小型EVトラックです。小型トラックは静粛性が求められる使用状況が多く、また短距離輸送に向いていることからEV化もしやすく、着実に採用例が拡大しています。

 しかしマイカーのように1台だけ買う、ということはあまりなく、ほとんどが複数台購入と運用が必要となるため、いすゞではEVの複数導入に向けたエネルギーマネジメントサービス「SmartEVer」を開発。適切で効率的な充電管理は電気料金の削減につながり、EV導入のメリットを最大限引き出すことができるとしています。会場では、このサービスを紹介するパネルも掲示されていました。

 優れた燃費性能と充実した安全装備を誇るフォワードは、荷台上部がはねあがる「Fカーゴウイング」を装備した姿で展示されていました。トラックは架装のバリエーションが多く、場合によっては納期が長くなることがありますが、いすゞでは選択性のある装備・仕様を標準化したオリジナル完成車Fカーゴを用意してこれに対応。短納期・即戦力化を実現しました。なおFカーゴでは、ウイングとドライバンを設定しています。

 2025年秋にフロントマスクの変更や、国内初となる車輪脱落予兆検知システムを全車標準搭載するなど、安全装備の充実を行ったギガは、4軸低床+ドライウイング「Gカーゴ」仕様が展示されました。GカーゴもFカーゴと同様に、必要十分な装備を厳選し、耐久性・軽量化・コストを高い次元でバランスさせた完成車です。全長12mもあるギガは、広い会場内でも圧倒的なサイズ感があり、会場内でも大きく目立っていました。

もうよじ登らなくてOK! 自動連結装置が付いたクオン

 UDトラックスは、精悍(せいかん)さを高めたフロントマスクを得て2025年末に発売されたクオン「GK4×2 トラクター」(2026年モデル)を展示。530psを発生する直列6気筒13リッターの「GH13TC」エンジンに、最新の電子制御式12速トランスミッション「ESCOT-VII」を組み合わせています。

 さらにこのクオンには、トラクターとトレーラーの連結作業の手間を減らす自動連結装置を搭載。従来は連結後にトラクターからトレーラーに電気やエアを通すケーブルを接続する必要がありましたが、自動連結装置ではトラクター側のカプラーとトレーラー側のコネクターを自動で接続できます。接続の際はよじ登っての作業が必須でしたが、これが不要となることで、安全性向上と作業時間の短縮に貢献します。

 このほか、いすゞの純正用品を取り扱ういすゞA&Sからは、ギガ用の停車時クーラー「Everycool」や、キャビン内の休息をより快適に行える「rest+」を参考出品。

 さらに自動運転技術やいすゞグループのサービスネットワーク、運行管理に必要な機能を網羅したコネクテッド機能の「MIMAMORI」などをパネルで紹介していました。

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 物流に関わる問題への具体的な解決策と将来像の提示を行ったいすゞグループ。折しもいすゞがUDトラックスを吸収合併するというホットなニュースが発表されたこともあり、今後もさらなる発展があることでしょう。