消費税ゼロは「大ざっぱで高コスト」=高所得者に恩恵と懸念―OECD事務総長

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 来日中の経済協力開発機構(OECD)のコーマン事務総長は12日、時事通信の書面インタビューに応じ、食料品の消費税率を2年間ゼロにする高市早苗政権の方針について「大ざっぱでコストがかかる」と批判した。OECDはこれまで、日本が公的債務を増やさずに歳入を確保する手段の一つとして、消費増税を提言している。
 イラン情勢の緊迫化を受けた原油価格の高騰で、日用品や食品を含む幅広い生活必需品の値上げが進む。コーマン氏は「食品価格の上昇が家計、特に低所得世帯に与える圧力は十分に理解している」と強調した上で、消費税をゼロにすれば、支出の多い高所得世帯に「不均衡に大きな恩恵を与えることになる」と懸念を表明。「本当に支援を必要とする世帯に的を絞った財政支援」が重要だと述べた。より低いコストで実現できるため、財政の持続可能性にもつながると主張した。
 日本の消費税率10%については、OECD加盟国平均の約19%に比べて非常に低いと指摘。「時間をかけて段階的に引き上げていくべきだ」と改めて訴えた。
 また、原油価格の高騰を受けて「供給源の多様化やクリーン技術への投資など、エネルギー安全保障に関する取り組みも強化している」と説明。日本を「この分野での重要かつ積極的なパートナー」だと評価し、「滞在中にさらに議論できることを楽しみにしている」と語った。 
〔写真説明〕経済協力開発機構(OECD)のコーマン事務総長=2025年9月、ブカレスト(EPA時事)