走行距離20万km超えでも「まだまだ現役」!? 世界中で日本の中古車が愛され続ける“壊れにくさ”以外の深い理由

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日本では「走行10万km」が乗り換えの目安とされがちですが、アフリカなどの過酷な環境では、日本で役目を終えたはずのクルマたちが今日も元気に走っています。なぜ日本の中古車は、これほどまでに世界中で愛されているのでしょうか。

丈夫なだけじゃない? 日本の「点検整備制度」と長く使い続けられる背景

 日本では走行距離が増えたクルマを「そろそろ乗り換え時」と捉える人もいますが、クルマの寿命や走行距離に対する受け止め方は、国や地域、用途、整備環境などによって大きく異なります。

 たとえばアフリカなどの地域では、日本で役目を終えたはずの過走行車たちが、過酷な環境下で人々の生活を支え続けている光景が日常的に見られます。

 こうした地域で日本車が選ばれる大きな理由は、圧倒的な「耐久性」と「信頼性」です。「よく走る」「故障が少ない」という評価は現地で根強く、長く使い続けられることが絶大な支持につながっています。

 その背景としてよく語られるのが、日本の厳しい「点検整備制度」です。日本では法令によって日常点検や定期点検整備の実施が義務付けられており、車種や用途に応じて細かな点検項目が定められています。結果として、良質な状態を保った中古車が海外へ輸出されやすい環境が整っているのです。

 ただ、個々の車両の状態は「これまでどの程度きちんと整備されてきたか」によって大きく変わりますし、実際の耐用年数は現地の環境に左右されます。そのため、日本車が世界中で愛される理由は、そもそもの「壊れにくさ」だけでは語りきれません。

壊れてもすぐに直せる!? 世界で日本車が選ばれ続ける“部品の共通性”

 日本車が山奥でも走り続けられるもう一つの大きな理由、それは壊れた際の「直しやすさ」にあります。

 たとえばトヨタなどのメーカーでは、同系統のエンジンを複数のモデルで長く採用してきた歴史があります。

 具体的には「1KD-FTV」というディーゼルエンジンが挙げられます。このエンジンは、「ハイラックスサーフ」をはじめ、「ハイエース」や「レジアスエース」のディーゼル車など、世界中で活躍する複数の車種に幅広く採用されています。

 このように、同系統のエンジンやパーツを複数車種で使い回す設計は、結果として対応できる現地の整備工場や部品供給の裾野を圧倒的に広げることにつながっているのです。

 また、日本車は世界各地で普及しているため、新品だけでなく中古部品や社外品が流通しやすいという強みもあります。

「部品がすぐ手に入る」「現地のメカニックに整備ノウハウが蓄積されている」という安心感こそが、電子制御を多用した最新モデルよりも、構造がシンプルで直しやすい一定の世代の日本車が選ばれ続ける最大の理由なのです。

 2024年の貿易統計によると、日本の中古乗用車輸出台数は約136万台にのぼります。輸出先としてはロシアのほか、中東・アフリカの「アラブ首長国連邦(UAE)」「タンザニア」「ケニア」「南アフリカ共和国」などが上位を占めています。

 日本の道から姿を消したクルマたちは、その頑丈さと「直しやすい設計の巧みさ」によって、地球の裏側で今日も元気に走り続けています。