
<富士通レディース 事前情報◇16日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
2週連続優勝を目指す河本結だが、その表情はどこか晴れない。「体調が悪くて…」。優勝翌日の月曜日は丸一日ベッドで過ごし、火曜日にトレーニングを再開したが、プロアマが行われた16日もまだ体にだるさが残っているという。
ようやく秋らしい気候になり、その寒暖差や気圧差などが原因と考えている。救いは「ゴルフの状態は悪くない」という部分。また「いっぱい祝ってもらえてうれしかった」という先週の反響も“栄養剤”になる。
その先週は原英莉花、渋野日向子といった同学年選手や岩井姉妹、古江彩佳、笹生優花と米ツアー組6人が出場し、それも話題になった。河本も「一緒に回りたい」という気持ちをモチベーションにプレーしたが、それは叶わなかった。だが今週も渋野、古江、そして西村優菜と海外勢が出場する。「早く一緒に回りたい!いろんな話をしながらプレーしたいです」と、その思いは増す一方だ。
予選ラウンドは現在メルセデス・ランキング1位の佐久間朱莉と、富士通所属の柏原明日架との注目組に入ったが、そこに米ツアー組の名前はなかった。予選ラウンドの組み合わせは大会が決めるため、そこに期待もしたが、今は「自分が頑張って、そのなかで回れたら」と上位争いのなかでの同組入りを目指していく。
こうやって米ツアー組の存在を刺激にする河本だが、それは海外で戦う選手にとっても同じ。渋野は「ゆいぴー(河本)は調子が悪いところから這い上がった。そういう選手は強い。(河本は世代を)引っ張る存在。ついて行きたい。理想としたいですね」と、苦しい時間を過ごす自分の姿と重ね合わせている。今季の米ツアーのポイントランキングは104位。シード落ちの危機に瀕しているが、「悩みに悩んで、悩みまくってる」という現状で、その姿が力になる。
実力者が多く、その選手同士の切磋琢磨でも強くなった世代。河本は「(体調を)考えても仕方ない。いいショットを打って、いいプレーをする」と力を込める。メルセデス・ランキングも3位まで上がり、年間女王戴冠も「強くイメージしている」というモチベーションに。同世代をさらに刺激する今季3勝目を挙げれば、自然と頂点に近づいていく。(文・間宮輝憲)