京都は蕎麦よりもうどんのお店の方が多いように思います。しかし、四条大橋を渡って南座の隣にある「松葉屋」という蕎麦屋さんのニシンそばは絶品です。もちろん関東の様に蕎麦つゆの色は少々濃いものです。しかし、出汁のきいたそのたれは、まず鼻から美味しさが忍び込みます。更にやや細めの蕎麦も香りがとても豊かです。一瞬、ここは京都なのだろうかとさえ思えます。そして、その上にどんと乗っているのが甘辛く煮付けられたニシンです。
こちらのお店は江戸時代の終わり頃に始まったようです。そして、明治初期ににしんそばを提供し始めたと言います。このニシンそばは暑い盛りでも、熱々を頂くのが最高です。ちょっと濃いめの出汁と上に乗ったニシンの甘辛差が相まってなんとも言えません。ニシンを少しかじり、蕎麦をつるつるとたぐると、思わず嬉しくなります。京都へ行くと良く訪ねるお店ですが、お味はいつも一緒でほっとします。これからも、続けて欲しい京都の味です。
[写:Kentaro Ohno@fliker]
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