北海道小樽市は、札幌に隣接する観光都市。1995(平成7)年公開の岩井俊二監督、中山美穂主演の映画「Love Letter」の舞台となり、韓国や台湾で上映されて大人気になりました。今でも一年中、道内外のみならず、海外からも数多くの観光客の姿があります。
小樽は、ガラスの街としても有名で、多くのガラス職人が工房を構え、また気軽にガラス製品を購入できるギャラリーや店舗も数多くあります。大型店舗を構えるギャラリーは、特に週末ともなれば、小樽土産にガラス製品をもとめる多くの観光客で大変賑やかな様相です。
そんな小樽で、街中を離れた高台に工房を構え、人を元気な気持ちにするガラス作品を作っている作家さんがいます。工房の名は「幸愛硝子」(ゆきえがらす)。
「小樽から愛と幸せを運ぶ手作りガラス。小樽から、海や空、花や草木、そう遠くない自然、レコードから流れる音楽。ここに生きる証とその物語をガラスに詰めたい」ウェブでみつけた幸愛硝子の作品の数々、フォトギャラリーなど、「幸愛硝子」の世界観に惹かれて、実物を是非見たいと、ギャラリーを訪れることにしました。ホームページからギャラリー見学をメールで予約すると、丁寧なご挨拶文と共に、ギャラリーの場所を記した手書きの地図が添付されたメールが届きました。メールの文面と添付された手書きの地図から、お人柄が伝わってくるような気がして、出かける前からワクワクしました。
訪れた幸愛硝子の工房は海を見下ろす高台に、れんが色の瓦屋根と、カラフルなモザイク柄の外壁が青空に映える一軒家です。ころころと転がるように走り回るなんとも愛らしいサモエド犬のざらめちゃんと、お会いした瞬間から人に安心感を与えると同時に、人を惹きつける魅力の持ち主である木村幸愛さん、宮越貴大さんの笑顔に迎えられ、幸愛ワールドに足を踏み入れました。(つづく)