不老不死が現実のものに!?テロメアの実態に迫る

現実にはあり得ないとしながらも、いつの時代にも永遠の夢と語られた不老不死。それが今、現実のものになるかもしれないと、人間の寿命を測るとされるテロメアに期待が寄せられています。「寿命の回数券」とも呼ばれるテロメアとは、いったいどのようなものなのでしょうか。

寿命を測ることができるテロメア
人間は約37兆個もある細胞から作られており、個々の細胞の中には染色体が入っています。アルファベットの「X」のような形をした染色体。その「X」の先端部分4カ所にテロメアが存在し、染色体を守る役目を担っています。このテロメアが今大きな注目を浴びています。というのも、テロメアは人の年齢とともに数が減り短くなっていき、その長さを測ることで人の寿命が分かるというのです。

さらにはテロメアの数を増やせば、寿命を延ばすことも可能かもしれないとのこと。いよいよ人間の寿命をコントロールできる時代がやってくるのかと、テロメアに大きな期待が寄せられ研究が進められています。

年齢とともに数が減り短くなるテロメア
私たちが生まれてくる時、テロメアは人生において最長の状態であり、その数は1万5000にもなります。人間の細胞は生まれてから死ぬまで、分裂を繰り返しますが、テロメアは細胞分裂するたびにその数が減っていき、短くなっていきます。そしてある長さまでくると、短くなりすぎて染色体を保護することができなくなります。すると染色体の異常が起きて細胞分裂ができなくなり、寿命を迎えることになるそう。

このような事実からテロメアの長さを測れば、寿命が分かるとされていますがもちろん確実性はないとのこと。なぜなら人の寿命を測るためには、テロメア以外の多くの要因も考慮する必要があるからです。しかしおおよその寿命を知ることはできるとされていますから、ちょっと気になりますよね。

寿命を伸ばす鍵となるテロメラーゼ
寿命の回数券との異名をとるテロメアは、まるで時間とともに短くなっていくロウソクのようで絶望的な印象を受けます。しかし希望の光とはまさにこのこと、細胞分裂が起こってもテロメアの数を減らさない、特別な酵素テロメラーゼが見つかったのです。生殖細胞はテロメアの数が減らないことで知られていますが、それはテロメラーゼの働きによるもの。他の細胞も生殖細胞のようにテロメラーゼを活性化させれば、テロメアの数を減らさないどころか、増やすことも可能とのこと。でも物事そうは簡単にはいかないもの、テロメラーゼの活性化には問題もあります。現在では、人工的に細胞内のテロメラーゼを増やすと、細胞分裂が無限に続けられるような、がん細胞ができやすくなってしまうそうです。

テロメアの長さは寿命を表すだけでなく、人の老化やがんの発症とも関係していると言われ、テロメアを研究することで様々な健康効果が期待されています。近い将来、不老不死とまではいかなくても、若さを保ったり若返る方法が見つかるかもしれませんね。テロメアが短くなる理由や伸ばす方法はこちらでもご紹介していますのでチェックしてみてくださいね。

writer:Akina

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