【ワシントン時事】米中間選挙で与党共和党が大敗したことを受け、ヘグセス国防長官に責任を取らせるべきだとの声が党内で強まっている。対イラン軍事作戦が引き起こした物価高が敗因の一つとなり、作戦を後押ししたヘグセス氏への批判が相次ぐ。下院では来週にも同氏の弾劾訴追決議案が採決される可能性がある。
トランプ大統領は5日、ABCテレビの取材に「ヘグセス氏を留任させる考えに変わりはない」と改めて意向を示した。ただ、周囲から同氏への不満が次々と寄せられているとも明かした。
米メディアによると、共和党のマシー下院議員は来週にもヘグセス氏に対する弾劾訴追決議案の手続きを進める方針。複数の同党関係者は、ヘグセス氏がトランプ氏にイラン作戦を進言したと非難しており、一部の同党議員が決議案に賛成するとの見方がある。ただ、罷免には上院で出席議員の3分の2の賛成が必要でハードルは高い。
2006年の中間選挙では、長期化するイラク戦争への批判から共和党が上下両院で多数派を失い、当時のブッシュ(子)大統領がラムズフェルド国防長官を事実上更迭した経緯がある。トランプ政権内でもヘグセス氏の更迭論が浮上しているようで、ニュースサイト「アクシオス」は当局者の話として、「誰かが(大敗の)責任を負わなければならない。ヘグセス氏が筆頭候補になりつつある」と伝えた。
閣僚らの人事承認は上院で行うが、来年1月に新議会が始まると野党民主党が多数派になるため後任の承認は難しくなる。年内に交代し、承認手続きを終えるとも取り沙汰されている。一方、ヘグセス氏は5日、X(旧ツイッター)に急きょ動画を公開。自身に対する弾劾の動きについて「私には通用しない」とけん制し、続投への意欲を示した。
〔写真説明〕ヘグセス米国防長官=10月30日、ホワイトハウス(EPA時事)