大阪~姫路を結ぶ「阪神の新型車両」ついに公開! “限界ギリギリ”まで車体を拡大 「必ず座れる座席」も

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阪神電鉄は、2027年春に導入する急行用の新型3000系電車を報道公開しました。

急行系車両の8000系を代替

 阪神電鉄は2026年11月5日、2027年春に導入する急行用の新型3000系電車を尼崎車庫(兵庫県尼崎市)で報道公開しました。6両編成のうち1両に、同社で初めてとなる座席指定サービス「らくやんシート」に対応する車両を導入します。今後、既存の8000系の代替として、順次増備される予定です。

 3000系の外観は、阪神電車の急行用「赤胴車(あかどうしゃ)」の伝統を継承した「リ・バーミリオン」を採用。車体サイズは既存車両から拡大し、客室幅は2574mm(+74mm)に。車体長も先頭車が18430mm(+50mm)、中間車が18280mm(+100mm)となり、車内空間にゆとりが生まれました。

 客室幅の拡大は、車体幅を既存車両の2750mmから2778mmに拡大し、車両限界の2800mmに限りなく近づけたことと、側壁の厚さを125mmから102mmに薄くしたことで実現しています。

 座席指定サービス「らくやんシート」は、6両編成のうち、大阪方から3両目の1両に設定されます。今後、大阪梅田~山陽姫路間を運行する一部の直通特急・特急でサービスを提供する予定で、運賃に加えて、1乗車あたり300円の料金が必要となります。

 車内中央部の座席には、阪神電鉄で初となる、ロングシートとクロスシートの双方に転換可能な「L/C座席」が採用されており、「らくやんシート」として営業する際はクロスシート状態で運行されます。なお、座席指定サービス提供時は、神戸寄りの扉だけを開閉する予定です。

 座席にはコンセントやリクライニング機能、ドリンクホルダー(一部座席を除く)を備えています。車端部の座席はロングシートですが、1人あたりの座席幅が通常470mmのところ、阪神電鉄で最大となる500mmが確保され、ロングシートとしては破格の広さを誇ります。

 座席指定サービスの対象車両は、通常の昼白色LED照明ではなく、暖色のLED照明が採用され、落ち着きのある車内空間となっています。

2027年春にまずは1編成がデビュー。近鉄乗り入れも想定

 また、出入口横の上部に新たにデジタルサイネージ(広告表示器)を導入し、中吊り広告を廃止したことも特徴です。3000系に搭載される車内案内表示器と行先・種別表示器は、列車種別ごとの色分けをわかりやすくするため、背景色と文字色のコントラストの改善や、色味の調整が行われました。

 これにより、阪神電鉄では初となる「カラーユニバーサルデザイン(CUD)認証」を取得したとのことです。

 車両間の貫通路の扉は、見通しを良くするために大型の透明ガラスを採用した引戸になりました。こちらも既存車両より通路幅自体が広がっているほか(既存車+85mm)、アシストレバー付きの取手が採用されています。

 昨今の車両ではUVカットガラスの普及により、ブラインドを廃止するケースが増えていますが、3000系はフリーストップ式のブラインドを設けています。

 主電動機(モーター)には、世界最高レベルの高効率化を実現する同期リラクタンスモーター「SynRM(シンアールエム)」を搭載しており、これは関西の鉄道で初導入となります。また、電気式戸閉装置、主幹制御器(マスコン)、インバータ式空調装置も阪神電鉄として初めて導入されました。

 3000系は今後、2027年春にまずは1編成がデビューし、大阪梅田~山陽姫路で座席指定サービスを提供する予定です。

 阪神電鉄運輸部の井野誠 課長は「着席ニーズが高まるなか、比較的リーズナブルな料金でご利用いただけるサービスを目指しています」とした上で、「急行系車両が順次置き換わるタイミングに合わせ、サービスの拡大を検討していきます」と今後の展望を明らかにしました。3000系の運用範囲については「将来的には近鉄線への乗り入れも想定しています」と言及しました。

 車両部の仲谷篤課長は、座席指定サービスの対象車両について「現時点では、3000系以外の既存車両を改造して座席指定サービス車両にすることは想定していません」と説明。3000系の最終的な製造両数は未定であるものの、置き換え対象となる8000系と概ね同数まで増備する見通しだとしています。