開発中止から3年半… “幻の国産旅客機”が博物館の扉をブチ破り登場!? 偶然現れた全景を激写

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開発中止となった三菱「スペースジェット」が、ついに展示施設へ搬入。その一部始終を見るべく現地へ。幻の機体はどんな姿を見せたのでしょうか。

「幻の旅客機」ついに降臨!

 2023年2月に開発中止が発表され、多くの航空ファンがその行く末を案じていた「スペースジェット」。その機体が2026年10月31日、県営名古屋空港(愛知県)の敷地内にある「あいち航空ミュージアム」へ搬入されました。今回展示されるのは、2020年1月に完成した試験機の10号機です。

 筆者が11月3日の午前10時過ぎに現地を訪れたところ、飛行機はすでに博物館内に収まっており、機体後方の一部だけがわずかに館外から見える状態でした。それでも空港に隣接する商業施設「エアポートウォーク名古屋」の駐車場では、かなりの見物人がその姿を撮影していました。

 小型旅客機といえども、地上から見上げると相当な威圧感があります。筆者は初めて見た瞬間、「あいち航空ミュージアムの扉って、旅客機が通れるくらい大きいんだ……」と、そのスケールに圧倒されてしまいました。

 しばらく撮影を続けましたが、見えるのは後部の一部のみ。博物館は現在リニューアル工事中で中には入れないため、「そろそろ帰ろうか……」そう思った、まさにその時でした。なんと、スペースジェットがゆっくりと後方へ移動を開始。博物館から出て、再び屋外にその美しい全景を現したのです。

 思わぬ幸運に驚きながらも、筆者は慌ててカメラを準備。空港の塀越しに、貴重なスペースジェットの姿を写真に収めることができました。さらに、名古屋空港の展望デッキに上がってみると、機体の反対側も撮影でき、幻の旅客機の姿をさまざまな角度から目に焼き付けることができました。

なぜ「幻」に? スペースジェット開発の軌跡

 スペースジェットは、三菱重工などを中心に開発が進められていた100席以下の小型旅客機です。地方都市間を結ぶ「リージョナルジェット」として、2015年11月11日に初飛行。ANA(全日空)を最初の発注者(ローンチカスタマー)とし、JAL(日本航空)や海外の航空会社からも受注を獲得していました。

 この機体は実用化していれば、戦後初の国産旅客機「YS-11」以来となる待望の国産旅客機となるはずでした。しかし、旅客機開発の経験が少なかったこともあり開発は難航。当初2021年を目指していた就航スケジュールは遅延が相次ぎ、2020年には開発の大幅な縮小が決定されます。

 その後も努力は続けられたものの、2023年2月7日、「開発再開に足る事業性を見出せず」として開発の中止が正式に発表されました。こうした経緯から、スペースジェットは航空ファンの間で「幻の旅客機」として人気を誇っています。

 今回、スペースジェットが搬入されたあいち航空ミュージアムには、前述の国産旅客機YS-11も展示されています。今後スペースジェットの展示が始まれば、日本の国産旅客機発展の歴史を一度に堪能できる、非常に貴重な場所となるでしょう。

 同博物館は現在、リニューアル工事のため2027年1月末まで休館となる予定です。幻に終わったスペースジェットが、多くの人々の前にその姿を現す2月以降が今から待ち遠しいです。