日米共同統合演習「キーン・ソード27」にて、今年3月に配備されたばかりの「25式地対艦誘導弾」が初めて報道公開されました。
「25式地対艦誘導弾」が初めての演習投入
令和8年度日米共同統合演習「キーン・ソード27」が、2026年10月19日から29日までの期間で実施されています。演習中盤となった10月25日には、長崎県東彼杵町(ひがしそのぎちょう)と佐賀県嬉野市にまたがる大野原演習場にて、今年3月に配備されたスタンド・オフ・ミサイル「25式地対艦誘導弾」の訓練が報道公開されました。
今回の演習は日米の共同統合能力の維持向上、および各種事態における演練と検証を目的としており、自衛隊施設や米軍施設だけでなく民間空港や港湾も使用して行われています。陸海空自衛隊、統合幕僚監部、統合作戦司令部などのほか、米軍や豪軍、およびその他6か国が参加しています。自衛隊からの参加規模は約4万5000人、車両約6100両、艦艇約40隻、航空機260機におよびます。
この日米共同統合演習は1985年から実施されている歴史あるもので、毎年、指揮所演習と実動演習を交互に行っており、実動演習にあたる今年度は通算で18回目の実施となります。
10月25日に大野原演習場で行われた報道公開で披露されたのは、2026年3月に陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)に配備されたばかりのスタンド・オフ・ミサイル「25式地対艦誘導弾」の訓練です。これが配備後初めての演習投入となりました。
スタンドオフ防衛能力の実効性を確保するためには、装備そのものの能力に加えて、部隊が必要な場所に展開し、所要の体制を構築できる能力が必要となります。そのため、部隊の展開能力を継続的に向上させることを狙いとして訓練が実施されました。
素早い展開を確認!
当日は台風30号の影響から雨の降りしきる中で訓練が展開されました。まず展開場所に中型トラックが進入し、小銃を持った隊員数名が下車して周囲に展開しました。隊員たちが展開場所の安全を確保したのち、25式地対艦誘導弾の発射機1両が進入し、素早く発射の体制をとるという一連の場面が実演されました。
25式地対艦誘導弾は、最新の12式地対艦誘導弾が射程約200kmとされているのに対して、約1000kmに及ぶとみられています。最新のステルス性能を備え、発射後も飛翔中の経路を制御できるといった能力がうたわれています。
今回運用されたスタンド・オフ・ミサイルは、島嶼部を含む我が国に侵攻する艦艇に対して、隊員の安全を確保しつつ遠方から対処を可能とするものです。また、自衛隊が特徴の異なるさまざまなスタンド・オフ・ミサイルを保有することは、我が方の重層的な対応を可能にします。これにより、相手に対して複雑な対応を強いることができるようになり、結果として我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させる目的をもっています。
この日米共同統合演習は、日米の緊密な連携と最先端の統合運用能力を示すだけでなく、我が国の南西諸島や島嶼部に対する抑止力と、迅速な対処能力を広く内外に誇示する狙いがあります。