邦人記者拘束、長期化の様相=対ロ交渉、進展兆しなく

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 ロシア当局による北海道新聞記者の拘束は長期化の様相を呈してきた。日本政府は記者の即時解放を要求するなど交渉姿勢を強めているが、ロシアはかたくなな姿勢を崩さず、2国間取り決めにある「領事面会」すら実現できていない。政府は粘り強くロシアへの働き掛けを続ける方針だ。
 「今後も強く領事面会の実現、即時解放を求めていきたい」。茂木敏充外相は23日の記者会見でこう語った。
 ロシア連邦保安局が北海道新聞ユジノサハリンスク支局の日本人男性記者をスパイ容疑で拘束したと発表したのは13日。日本が旧ソ連と結んだ日ソ領事条約と関連文書は、拘束から1~3日以内の領事通報、4日以内の領事面会を定めるが、領事通報があったのは15日で、領事面会はいまだに実現していない。
 事態を重く見た日本政府は外務省の中村仁威欧州局長をロシアに派遣。中村氏は「人道的な配慮」と「公正公平な取り扱い」を求めるそれまでの姿勢から一歩踏み込み、20日のボロビヨワ・ロシア外務省アジア第3局長との会談で即時解放を要求した。
 拘束された邦人の健康状態すら確認できないのは「異例」(外務省幹部)だ。在ロ日本大使館は22日、家族の要望を踏まえ、記者に渡してほしいとモスクワの拘置所に物品を差し入れた。外務省幹部は「何とかロシアを動かさないといけない」と強調した。
 もっとも、ロシアの強硬姿勢に変化の兆しはない。外務省幹部は「局長派遣後も目立った進展はない」と指摘。最近、ロシアと接触した政府筋は「風向きは非常に厳しい」と頭を抱える。
 事態が好転しない背景には停滞する日ロ関係がある。米国との接近を踏まえ、ロシアが米国人元教師を最近釈放したのと対照的だ。日本政府関係者は「有効な手だてはない。領事面会が実現したとしても、解放までのハードルは高い」と述べ、対ロ交渉を根気強く継続する考えを示した。 
〔写真説明〕記者会見する茂木敏充外相=23日、同省