アプリ入り口にサーバー脆弱性標的=AIで自動化か、被害拡大懸念―NICT分析・不正アクセス

日本の造船企業が活躍する鍵とは

 企業などへの不正アクセスが拡大している問題で、情報通信研究機構(NICT)の脅威情報分析チームが攻撃手口の一つを突き止めた。公開されているアプリを入り口にサーバーの脆弱(ぜいじゃく)性を探しだし、サーバーごとに攻撃内容を変化させていた。解析から攻撃まで、人工知能(AI)で自動化されていると考えられるという。
 独自の調査・分析により一連の流れを把握した。分析チームは、AIを用いた脆弱性探索の効率化により、多くのシステムが狙われる可能性があるとして、対策を呼び掛けている。
 分析チームによると、攻撃者はまず、日本で公開されているグーグル基本ソフト(OS)「アンドロイド」アプリを入手し、プログラムを解析。アプリやウェブサイトの裏側で、ログイン認証や利用者情報などを管理する「バックエンドサーバー」の接続先などの情報を収集し、サーバーの仕様に応じて脆弱性を狙って攻撃しているという。
 チームは、バックエンドサーバーに意図しない通信を行わせたり、不正なプログラムを実行させたりするなど、主に4種類の脆弱性が悪用の対象となっていると指摘。同様の問題は、アップルのOS「iOS」アプリなどでも発生する可能性があると分析している。
 対策として、不審なアクセスの確認や脆弱性の点検を求め、国外からの一時的なアクセス制限や認証情報の無効化・再発行なども有効としている。
 チームを率いるNICTの安田真悟CYNEX研究開発運用室長は「今回の攻撃パターンや広がり方から、AIによる自動化が行われている可能性がある」と指摘する。
 その上で、「懸念しているのは、個々のシステムに合わせて攻撃を組み立てる作業がAIによって継続的・効率的に行われるようになることだ」と強調。「アプリ解析や脆弱性探査、攻撃内容の調整の手間が減れば同様の攻撃がより多く広がる可能性がある」と警鐘を鳴らした。 
〔写真説明〕情報通信研究機構(NICT)=東京都小金井市