首都高の「新IC」と東京湾岸道路の「新規区間」ダブル整備へ ただし“その先は行けない” 「立入禁止の島」のアクセス形態が明らかに

特定空家 勧告受けるとどうなる

首都高湾岸線の新ICと東京湾岸道路の新規区間の整備形態が明らかになりました。その舞台は川崎市「扇島」、現在は「関係者以外立入禁止」の島です。

首都高と一般道、ダブルで整備 ただし「ほんのちょっと」だけ!?

 首都高速道路は2026年9月16日の定例会見で、首都高湾岸線に「扇島出入口」を新設する事業に着手したことを発表。同月には国土交通省 関東地方整備局が国道357号「東京湾岸道路」の事業再評価を行い、扇島出入口の取付道路となる国道357号の整備形態についても明らかになりました。

 湾岸線の新たな出入口「扇島」は、神奈川県川崎市の東扇島出入口と鶴見つばさ橋の間に設けられます。東京方面・横浜方面のどちらにも出入りできるフルインターチェンジ形式となる計画です。

 この扇島は現在、全域をJFEスチールが所有しており、国際条約に基づき関係者以外の立入が制限されている埋立地のため、湾岸線で“通過するだけ”のエリアとなっています。JFEスチールが2023年9月に京浜地区(扇島)の高炉を休止したことを受け、川崎市は跡地を水素などのカーボンニュートラルエネルギーや先進物流の拠点として再生する計画を進めています。これに伴い島内へのアクセス拠点として首都高の出入口と取付道路の整備が急務となっています。

 扇島出入口の計画と並行して、国土交通省は一般道である国道357号「東京湾岸道路」の整備も進めます。国道357号の東扇島から扇島を経て大黒ふ頭(横浜市)まではまるまる「未整備区間」となっていますが、首都高の扇島出入口の前後約1.1kmの区間を新たに整備し、川崎市が整備する市道と接続します。

 ただ、国土交通省の資料では、市道は首都高の出入口部の東西で、首都高の下をくぐるだけのように描かれています。つまり実質的にはUターン路であり、出入口部前後の国道357号上下線を周回する構造となっているのです。実際に供用された場合の整備形態はどうなるのか、川崎市の臨海部国際戦略本部基盤整備推進部に聞きました。

 まず、扇島は東半分が川崎市、西半分が横浜市に属していますが、一般開放されるのは川崎市側だけで、国道357号経由でも横浜市側には行けません。

 他方、川崎市側は首都高以外のアクセス路も開放される見込みです。

 現在、扇島へのアクセスはJFEの構内通路の一つである「海底トンネル」(水江町-東扇島)と、それに続く「扇島大橋」(東扇島-扇島)に限られますが、後者の一部を開放します。4車線で供用している扇島大橋の海側2車線分を川崎市がJFEから貸借し、2車線の市道として歩道も整備したうえで、東扇島内の国道357号と接続させるといいます。扇島大橋の山側2車線は引き続き、海底トンネルから扇島へアクセスする関係者専用の構内道路として存続します。

 扇島の一般開放はまず、島の南東部の「先導エリア」(約70ヘクタール)から始まり、ここには「カーボンニュートラルエネルギー」「港湾物流」「高度物流」の3拠点が設けられる計画で、国道357号から同エリアへの臨港道路も整備される見込みです。先導エリアは2028年度の一部土地利用開始を目指すとされており、それまでに上記のアクセス路も整備される計画となっています。

 ちなみに、東扇島では現在、扇島側で陸側の水江町とを結ぶ新しい橋「臨港道路東扇島水江町線」の整備が進められていますが、川崎市によると、この路線と扇島の道路整備は連動していないとのことでした。