投資も安保も、きしむ米韓関係=通販大手問題で不信拡大

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 【ソウル時事】投資から安全保障に至るまで、米韓関係であつれきが拡大している。韓国で大規模な顧客情報流出事件を起こした米上場のインターネット通販大手クーパンを巡る問題で、トランプ米大統領の岩盤支持層「MAGA(マガ)」の間で李在明政権の印象が悪化しているとされ、関係修復は容易でなさそうだ。
 韓国の康京和駐米大使は12日、ワシントンで開かれた韓国国会の国政監査で「(米国との)情報協力に問題がある」と発言。「ホワイトハウスとの意思疎通に限界がある」とも述べた。米韓同盟を最重視する外交当局の高官が、公の場で関係悪化を率直に認めるのは異例だ。
 情報協力に支障が出ているのは、3月に鄭東泳統一相が国会で北朝鮮のウラン濃縮施設が北西部・亀城にあると明らかにしたためとされる。水面下で情報提供した米側が反発したとの見方が広がった。
 しかし、韓国の消息筋は「根本的な原因は、米韓首脳会談を受けた昨年11月の合意文書を巡るボタンの掛け違いにあった」と指摘する。韓国による3500億ドル(約55兆円)の投資が盛り込まれたが、対米投資実現を急いだ日本に比べて具体化に時間を要し、米政権には不満が募った。一方で、交渉が一段落したと判断した李氏は今年1月、中国を国賓訪問し、関係修復に乗り出した。
 そこにクーパン問題が追い打ちをかけた。昨年12月のクーパン幹部の国会召喚など厳しい態度を見せる韓国に対し、バンス米副大統領が慎重な対応を求めたと報じられ、米国で「中国企業に比べ米国企業を差別している」と不信感が拡大。MAGAを中心に「李政権は親中」というイメージが浸透したという。
 投資案件はようやく今年9月末に発表されたが、採算性が疑問視される米アラスカ州の液化天然ガス(LNG)事業に関し、見解の相違が露呈した。消息筋は「かつては日本の背後に隠れて米国の圧力をかわしたが、半導体や造船など韓国の経済力が高まり、狙い撃ちされるようになった」と語る。
 李氏は13日、「最も重要なのは韓国の国益だ。屈従的、事大的な態度は慎むべきだ」と強気の構えを示した。一方で、李氏は最近、米フロリダ州マイアミで12月に開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の際にトランプ氏とゴルフをすることを視野に、練習にいそしんでいる。 
〔写真説明〕トランプ米大統領(左)と李在明・韓国大統領=2025年10月、韓国・慶州(AFP時事)