チェルシーの元オーナーであるロマン・アブラモヴィッチ氏が、同クラブのトップを務めていた当時、リーグ・アンのFCナントの買収を検討していたことが明らかになった。
アブラモヴィッチ氏は2003年7月にチェルシーを買収。その後、ロシアによるウクライナ侵攻の影響によって2022年5月にクラブを売却するまで、約20年に渡ってブルーズの経営に携わっていた。
そのロシア人実業家はチェルシーオーナー時代に「フィーダークラブ(提携・育成クラブ)」となり得るチームの買収を模索していたなか、ナントに関心を持っていたという。
2007年から2022年まで15年間チェルシーでGKコーチを務めたクリストフ・ロリション氏は、フランスメディア『ウエスト・フランス』でそのエピソードを明かした。
現在、リーグ・ドゥ(フランス2部)のダンケルクでGKコーチを務めるロリション氏は、過去に10年近くに渡ってナントでも同職を務めていた。
そんななか、ある日コブハムのトレーニング施設でアブラモヴィッチ氏に呼び出しを受け、その際に「FCナントについて教えてくれ。どんなクラブなんだ?」とクラブに関する多くの質問を受けたという。
当時、アブラモヴィッチ氏は明確なプレースタイルを持つ組織化されたクラブを求めていたというが、当時のナントはそうした特徴が備わっておらず。同氏のフランスクラブに対する関心も、それほど長く続かなかったという。
「私は、その(プレースタイルという)鍵を握る人物たちを全員知っていた。そこで彼らに声をかけたんだ。すると、アブラモヴィッチ氏は『心配するな、飛行機を飛ばして彼らを連れてくるから』と言いました。ところが2カ月後、彼から再び連絡があり、『我々がやりたいことに対して、このクラブは大きすぎるようだ』と告げられたんだ」
アブラモヴィッチ時代はマルチ・クラブ・オーナーシップ(MCO)で他のクラブを傘下に入れることはなかったが、現在の『BlueCo』体制のチェルシーは、同じフランスのストラスブールを保有している。
なお、昨季リーグ・アンからリーグ・ドゥに降格したナントは、元サッカー代理人のパウロ・タヴァレス氏が率いる欧州の投資家グループへの売却が進められており、先月、売却に向けた基本合意に達した。これにより、ヴァルデマール・キタ氏による19年間の経営体制に終止符が打たれることになった。