邦人記者とロシア人交換狙いか=日本のハッカー拘束に関連も

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 ロシア当局による北海道新聞記者拘束について、プーチン政権が西側諸国で拘束された自国民との交換を狙っているという観測が浮上している。日本の捜査当局が5月にハッカーのロシア人を拘束し、今月ドイツに引き渡した問題と関連付ける見方も出ている。
 ◇外国人に利用価値
 ドイツ側が日本に拘束を要請したのは、国際ハッカー集団「Qilin(キリン)」中心メンバーの20代の男。同集団は各国でサイバー攻撃を繰り返し、日本でも企業や病院などが被害に遭ったことで知られる。
 ロシアの独立系メディアは13日、日本が男の引き渡しを発表後、邦人記者が拘束されたと指摘。ロシア当局は「スパイ容疑」の立件を正当化するが、拘束が「報復」ではないかと疑問を投げ掛ける報道と言える。
 プーチン政権はウクライナ侵攻下、拘束した米紙記者を西側諸国との身柄交換で解放した例がある。今回の事件に関し、独立系メディアは「外国人は国外で拘束された自国民との交換に利用される」と強調した。
 米政府系放送局によると、在英の日本専門家は身柄交換による邦人解放に期待を表明。交換の対象として「まず思い浮かぶのはハッカーたち」と語った。ロシア当局とハッカーは過去に米国へのサイバー攻撃で協力してきたといわれる。
 欧州連合(EU)加盟を目指すモンテネグロでは今月、ロシア国防省に近い軍事ブロガーが一時拘束された。ロシアのメドベージェフ前大統領はSNSで、自国民が拘束されれば「取り戻すべく(西側の)愚か者を身柄交換のために補充しなければならない」と新たな拘束を示唆した。
 ◇制裁解除も迫る?
 ロシアの同盟国ベラルーシ当局は2024年、元日本語教師の邦人を「スパイ容疑」で拘束。国営テレビを通じて「日本の情報機関の活動が阻止された」と主張した。拘束の一部始終を収めたドキュメンタリー番組を放送しており、ロシアが邦人記者を「スパイ」と印象付ける映像を公開したやり方と重なる。
 元日本語教師は25年、実刑判決を言い渡された後に解放された。ベラルーシのルカシェンコ大統領が「トランプ米大統領の要請に基づき、制裁解除に関連して恩赦を決定した」(国営ベルタ通信)とされている。
 邦人記者拘束について、米政府系放送局は専門家の話として「(日本への)外交上の影響力を確保し、拘束の長期化を避けたいなら譲歩すべきだと迫る手法だ」と報道。日本による対ロ制裁解除もプーチン政権の狙いとの見方を伝えた。 
〔写真説明〕北海道新聞記者が拘束されているとみられる施設=14日、モスクワ(AFP時事)