一般人立ち入り禁止の島に伝わる「マムシ伝説」!? 米軍管理下の秘密施設に入った“生き証人”から話を聞いた

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全島が米軍管理下に置かれた吾妻島には「マムシが多い」という噂があります。これは本当なのでしょうか? 島を知る人に聞くと、予想外の答えが返ってきました。

「吾妻島はマムシだらけ」は本当?

 海上自衛隊横須賀地方総監部が位置する横須賀港内にある吾妻島。ここは全島が在日米軍の「吾妻倉庫地区」として管理されていて、一般人はいっさい立ち入ることができない謎に満ちた島です。

 そんな吾妻島にはある噂があります――「吾妻島にはマムシが多い」!

 軍事的に重要な役割でもある弾薬や燃料が保管されている吾妻島。敵の上陸を阻止するためという説もありますが、実際のところこの話を裏付ける資料は見つかっておらず、あくまで都市伝説のひとつとされています。

 ……が、ここで吾妻島を知る隊員に話を聞くことができました。それは、海上自衛官で夫のやこさん。灯台下暗しとはまさにこのこと。めちゃくちゃ身近におりました。

 吾妻島は在日米軍が管理していますが、敷地の一部を間借りして「海上自衛隊弾薬整備補給所」という部隊を配備しており、島の敷地をアメリカ軍と一緒に使用しています。実はやこさんは一時期、この弾薬整備補給所にいたため、吾妻島のリアルを知る“生き証人”なのです。

 さて、このマムシ伝説は嘘かまことか? やこさんに聞くと返ってきた答えは……。

マムシよりも“アレ”が多い!?

「マムシよりゴキブリのほうが多いよ」……そっち!?

 島で当直勤務をしているとき、夜になると現れるのはマムシではなくゴキブリ。基本的に人間が使う場所は整備されているので、日常生活でマムシと顔を合わせる機会は少ないそう。訓練や環境整備で山に入るときはマムシに遭遇することもある模様ですが、よくある田舎の標準レベルなんだとか。謎の島のマムシ伝説は呆気なく解決されてしまいましたが、ここで終わるのも味気ないので、吾妻島がどんな場所なのか少しご紹介しましょう。

 吾妻島の弾薬整備補給所、略して弾補所(だんほしょ)にはいくつか弾庫があります。しかし、この弾庫自体はカモフラージュされているので、衛星写真を見てもどこにあるかはわかりません。マムシものびのびと生活できる豊かな自然が、島の全容を覆い隠しているとも言えます。

 弾補所の主な仕事は弾薬の整備。それこそ、たとえば誘導弾はただ火薬が詰まった筒ではなく精密機械の塊なので、これらがちゃんと動作するかどうかの試験など、細かなメンテナンスをしているのです。もちろん試験といっても実際に飛ばすわけではないのでご安心を。

 ほかにも、いくつかのセクションに分かれている弾などはセクションごとに使用期限が違うので、必要に応じてセクションの組み替え作業などもします。地味だけど、こういった日々の整備がいざというときに国を守る大きなチカラになるのです。

 吾妻島は一周がおよそ5kmあり、走ると30分くらいなのでジョギングしている人もいるそう。アメリカ軍と海自の敷地の境はないけれど、どことなくアメリカ軍の雰囲気かな~と、やこさんは話していました。

 かつて防衛省オフィシャル広報誌である『MAMOR』でも特集され一部で話題を呼んだ吾妻島。一般人は見学できませんが、「横須賀軍港めぐり」という海自の基地を見学できる民間のクルージングツアーではこの吾妻島に繋がる新井堀割水路を通るので、自然豊かな吾妻島を身近に体験することができます。