日米関税交渉で合意した5500億ドル(約87兆円)の対米投融資の第3弾に米半導体受託生産大手の工場建設事業が選定され、日本の半導体大手ルネサスエレクトロニクスが調達側として参画する見通しとなったことが14日、分かった。工場建設は米グローバルファウンドリーズ(GF)が主導し、数兆円規模が投じられる見通し。東京エレクトロン(TEL)も製造装置を供給し、ハイテク産業で日米が協力を深める。近く発表する。
ルネサスは演算処理に使うロジック半導体を調達する方向で調整している。ルネサスとGFは2月に、次世代自動車向けの半導体を共同で製造すると発表していた。TELは、製造装置の売上高で世界4位に位置する。
トランプ米政権は11月の中間選挙を控え、有権者にアピールする成果を求め、対米投融資案件の組成実績の積み上げを急いでいる。一方、日本政府側もサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化などの経済安全保障を強化するとともに、半導体製造装置などで強みを持つ日本企業の海外展開を促す機会として積極活用する構えだ。
このほか次世代原発の小型モジュール炉(SMR)建設事業でも案件組成へ協議が続いている。
対米投融資では、これまでに計6件、金額で1090億ドル(約17兆2000億円)の事業で合意に達し、全体の2割程度まで進展。人工ダイヤモンド製造やガス火力発電などでは送金を終えている。一方、第1弾のうち、米国産原油の輸出インフラ整備では積み出し港の事業承認が取り消される事態も生じた。