中国道と山陽道を結ぶ「南北ワープ道路」60kmの一部! 5.4kmの国道バイパス「トンネル拡げて物流仕様に」事業費が大幅増額

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中国地方整備局が2026年度第1回目の事業評価監視委員会を開催。岡山県で建設中の国道53号「津山南道路」に関する、最新の事業状況を共有しました。

総事業費が約64%増額

 中国地方整備局は2026年10月5日、本年度第1回目の事業評価監視委員会を開催しました。同委員会では、岡山県内で進んでいる国道53号「津山南道路」事業の最新状況が共有されています。

 津山南道路は、津山市平福から美咲町打穴中までを南北に結ぶ、5.4kmの国道53号バイパスとして計画されています。津山市内で同じく国道53号の「津山バイパス」から分岐し、国道53号の現道や、JR津山線の線路と並走するように南下していくルートです。また将来的には、岡山市と津山市を結ぶ約60kmの高規格道路「空港津山道路」の一部を担う見込みとなっています。

 津山市内には工業団地や産業・流通センターが多数立地しているほか、2024年には津山駅のリニューアルも実施されています。また美咲町でも近年、町庁舎の移転や、町で初となる産業団地の整備事業がスタート。周辺でも製造業や物流業の関連施設の立地が相次いでいます。

 一方で同局によると、国道53号の現道は線形が良くなく、災害や交通事故による通行規制が物流を妨げているといいます。また、中国道や岡山道を経由する高速ルートは、大回りのため所要時間が国道53号を通るのとほぼ変わりません。実際に岡山市~津山市間を走る物流車両のうち、約5割は国道を利用しているというデータもあり、線形改良やルートの冗長性確保を図っていきたい考えです。

 ただし今回の委員会では、総事業費が140億円(約64%)増額の360億円にのぼるという見通しも示されています。

 要因のひとつは、トンネル断面形状の変更です。津山南道路は2022年3月に「重要物流道路」へ追加指定されたため、途中の「福田トンネル」において、高さ4.1mの国際海上コンテナ車が特別な許可なしで通行できるよう、設計を変更する費用が生じました。

 また地質調査の結果、想定より脆弱な地山が確認されたため、トンネルを支える「支保パターン」なども見直しました。このほか、切土工事の作業中に硬い「中硬岩」が出現したことや、埋蔵文化財調査の対象範囲の大幅な拡大、労務費・資機材価格などの上昇も影響したとのことです。

 なお費用ベースでの進捗率は、本年度末までに用地で99%、工事で27%、事業全体では約40%に達すると見込まれています。また費用便益比(B/C)は、津山南道路単体では0.5としているものの、「空港津山道路」全体を対象とした場合は3.3と算出しています。中国地方整備局はこうした状況を踏まえ、本事業について効率化などの改善を行いつつ継続していく「改善継続」と判断しています。