お得なETC割引の裏に“罠”!? 首都高が「タンデム禁止」だらけなワケ 2人乗り解禁から20年なのに

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バイクで高速道路を2人乗りできるようになって20年余り。お得な「二輪車定率割引」を活用してツーリングに出かける人も多いですが、都心の首都高にはいまだに「2人乗り禁止区間」が多数存在します。

ツーリングの味方「定率割引」 しかし都心には“罠”が!?

 NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本と宮城県道路公社は、2026年4月4日から11月29日までの土日祝、ETCを搭載したオートバイを対象に「二輪車定率割引」を実施しています。対象道路内で各インターチェンジ相互間の1回の走行距離が80kmを超えると、料金が37.5%割り引かれます(利用前の申し込みが必要、北海道内は10月31日まで)。

 この割引を使って、遠出を考えているライダーも多いでしょう。高速道路の料金は人数ではなく車両ごとに決まるため、2人で分担すれば1人あたりの負担はグッと軽くなります。

 高速道路で排気量125cc超のオートバイの2人乗りが条件付きで解禁されたのは、2005年4月1日のことでした。運転者が「20歳以上」かつ「大型二輪または普通二輪免許を受けていた期間が通算3年以上」であれば可能です(一般道では通算1年以上で可)。

 解禁から20年余りが経過し、オートバイの高速利用は着実に広がっています。NEXCO中日本によると、2025年の二輪車定率割引は全国で約26万件利用されました。また、国内の登録台数(125cc超)も年間14万台を超えるなど、ツーリング需要の高さがうかがえます。

 ところが、年齢や免許期間の条件をすべて満たしたベテランライダーであっても、「2人では走れない道」が都心には残っています。なお、首都高速道路はそもそも「二輪車定率割引」の対象外ですが、それ以前に大きなトラップが潜んでいるのです。

禁止リストに載っている「そもそも走れない道」って!?

 警視庁の公式Webサイトには、首都高におけるオートバイの「2人乗り通行禁止区間」の一覧が掲載されています。

 それを見ると、都心環状線(C1)は全線が対象。さらに、1号上野線、2号目黒線、9号深川線、11号台場線も全線が禁止です。1号羽田線、3号渋谷線、4号新宿線、5号池袋線、6号向島線、7号小松川線についても、都心側の一部が規制区間に指定されています。

 なぜここまで厳しいのでしょうか。理由は道路のつくりにあります。首都高速道路は公式Webサイトで、限られた公共スペースを最大限活用して建設したため「カーブの多い道路構造になっている」と説明。カーブが厳しい地点や、過去に事故が多く発生した箇所を規制の対象としています。

 そして、この禁止一覧を見る際に注意したいのが、現在も“全線禁止”としてリストに並ぶ「八重洲線」と「東京高速道路会社線」です。

 首都高速道路によると、高速八重洲線の本線は「2025年4月5日20時から2035年度まで」の長期通行止めとなっています。また、東京高速道路(通称KK線)も、東銀座出口を除いて同一日時で廃止されました。

 つまり、東銀座出口と汐留出入口など一部は現在も利用できますが、リストにある両路線の本線部分は、2人乗り禁止以前に「物理的に通り抜けることができない」のです。

 一方で、規制の対象外となる例外もあります。側車付き二輪車、いわゆるサイドカーは、2人乗り禁止の標識がある区間も通行可能です。同じ“2人”でも、車両の構造によって扱いが変わるわけです。

 首都高速道路は、オートバイ事故の件数自体は全体の2%程度と少ない一方、死傷事故はオートバイ以外と比べて「約26倍発生しやすい」と注意を促しています(※2人乗りに限らずオートバイ全体の数値)。

 高速道路の2人乗り解禁から20年余りが過ぎても、首都高には厳しい禁止区間が残ったままです。出発前に運転者の条件だけでなく、事前のルート確認と規制区間のチェックを行うことが、安全なタンデムツーリングの第一歩といえそうです。