特急「しなの」が圧巻の長大編成! でも車内は閑散? 乗って分かった都市間輸送の重要性

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名古屋~長野を結ぶ特急「しなの」に、グリーン車を2両も連結した10両編成が存在。実際に乗ってみました。

グリーン車が2両も!

 名古屋と長野を結ぶJR東海の特急「しなの」。山間部を走りながらも、塩尻や松本といった都市も経由する重要な都市間特急です。この列車で、グリーン車を2両も連結した10両の長大編成が走っていることがあります。しかし実際に乗車してみると、車内は意外にも空いている様子でした。

 2026年7月の土曜、名古屋を16時に出発する「しなの19号」に乗車しました。この日の編成は、383系電車で、グリーン車2両を含む堂々たる10両編成。木曽谷の美しい風景を楽しむため、伝統の展望グリーン車である1号車の最前列を予約しました。

 実はこの時、誤って7号車のグリーン席を予約しかけました。この列車は1号車と7号車がグリーン車となっており、7号車からでは前面展望は楽しめません。慌てて予約し直しました。

「しなの19号」は、名古屋を定刻に出発。この時点で乗客は合計133人でした。内訳はグリーン車10人、普通車指定席69人、普通車自由席54人でした。定員はグリーン車88人、普通車494人のため、乗車率はグリーン車が11.4%、普通車が25%。10両編成ということもあり、相対的には「ガラガラ」に見えます。地方路線の特急として決して少ない人数ではありませんが、長大編成ならではの光景といえるかもしれません。

 ちなみに、グリーン車は2+2列シートですが、隣に人が来なければ快適そのものです。クッションが柔らかく、リクライニング角度が大きめなのは1990年代のJR東海の車両らしさ。この乗り心地は、2029年に運行開始予定の後継車385系電車にも引き継いでほしいものです。

歴史は“長大編成”とともに

 特急「しなの」は非常に歴史のある列車です。そのルーツは1953(昭和28)年、名古屋~長野間を5時間35分で結ぶ準急として登場しました。当初は2等車(現・グリーン車)1両を含む6両編成でした。

 その後、気動車化によるスピードアップを経て、1968(昭和43)年にはキハ181系により特急に格上げ。この時、食堂車も連結した9両編成で運行されました。1973(昭和48)年には、カーブを高速で通過できる振り子式の381系電車が投入され、所要時間を大幅に短縮します。

 1988(昭和63)年には、381系を改造したパノラマグリーン車が登場。増発も行われ、臨時列車を含めると最大16往復まで成長しました。現在の383系や次期の385系にも展望グリーン車は引き継がれています。

 そして1995(平成7)年、現行の383系電車が投入され、翌年から「(ワイドビュー)しなの」として運行を開始。名古屋~長野間を最速2時間43分で結び、この記録は現在も破られていません。かつては大阪~長野間を結ぶ列車も運行され、在来線定期昼行特急としては最長距離を誇った時期もありました。

三大車窓を駆け抜け終点へ

 名古屋を出発した「しなの19号」は、木曽谷の美しい風景の中を進みます。展望グリーン席からの前方視界は良好で、高さ850mmの大きな側窓からは雄大な景色が楽しめます。最高速度130km/hで快走しますが、単線区間では速度を落としていました。

 途中駅での乗降は比較的少ないものの、17時25分の木曽福島で16人、17時54分の塩尻で33人が乗車。そして18時4分に松本に到着すると、ここで76人が乗車しました。松本出発時点での乗車率は、グリーン車が10.2%、普通車が30%に。都市間の需要の大きさがうかがえます。

 18時46分頃には、日本三大車窓として知られる姨捨付近を通過。7月なのでまだ明るいですが、季節によっては素晴らしい夜景が楽しめる区間です。篠ノ井の手前でJR東日本の車掌に交代すると、車内放送の雰囲気も変わるのが興味深い点です。

 大きな動きのないまま、列車は18時59分、定刻に終点の長野に到着しました。土曜でビジネス利用が少なかったためか、やや寂しい利用状況でしたが、車窓は十分に楽しめました。ただし、約3時間の乗車中に車内販売はないため、飲み物や食べ物は事前に購入しておくことをお勧めします。