ウクライナ政府の公式サイト「ユナイテッド24」は2026年9月27日、無人攻撃艇を駆使する特殊部隊「グループ13」の創設者へのインタビューを公式YouTubeで公開しました。
海戦を大きく変えた部隊の創設者
ウクライナ政府の公式サイト「ユナイテッド24」は2026年9月27日、無人攻撃艇を駆使する特殊部隊「グループ13」の創設者へのインタビューを公式YouTubeで公開しました。
グループ13は、水上自爆ドローンや水上攻撃ドローンとして運用されている「Magura(マグラ)」シリーズを使用する部隊で、主に黒海でこれらの装備を運用し、クリミア半島内に設置されたロシア軍の施設やレーダー、ときには艦艇や航空機まで攻撃しています。
まず、グループ13という名称は、創設者のラッキーナンバーに由来しており、同時にロシアにとって不吉なイメージを持たせたいという意味も込めて「13」としたようです。
同部隊はロシアの黒海艦隊に対して積極的な攻撃を実施しており、大型艦艇を保有していないにもかかわらず、複数の艦艇を撃沈、または損傷させることに成功しています。さらに、これらの攻撃によって、損傷を受けていない艦艇までも港にくぎ付けにすることで、長距離飛行が可能な自爆ドローンや巡航ミサイルによる攻撃の機会を生み出し、海軍力で圧倒的に劣勢であるはずのウクライナ軍が、一部海域で優位な状況を作り出しています。
部隊が使用する水上ドローンは、ロシア軍によるオデーサ上陸が懸念されていた時期に、海上戦力の圧倒的な劣勢を補うため、「海上でもドローンは使えないか」という発想から開発されたとのことです。
最初のマグラV5は2022年秋に完成しました。そして、その完成とともに創設されたのがグループ13です。創設当時について、「装備もなく、人員もなく、まるでパラシュートなしで飛行機から飛び降りるような状況だった」と当時の心境を語りました。
最も印象に残っている戦いは最新鋭艦への攻撃
全く前例のない戦法でしたが、当初は単なる自爆ボートとしてスタート。2023年5月には、情報収集艦(偵察艦)「イワン・フルス」を攻撃し、航行不能にしました。
さらに2024年には、対空能力を持たせるため、AIM-9「サイドワインダー」やR-73空対空ミサイルを搭載し、遠隔操作で発射できるよう改造。その年の12月には、ヘリコプター2機を史上初めて撃墜しました。
この件について、創設者は「この成功は、ロシア軍のヘリコプター運用において決定的な転換点となった」と明かしています。
その後、マグラは戦闘機の撃墜にも成功。さらに、上陸後に偵察ドローンを発進させる能力なども付与されるなど、マグラシリーズにはさまざまな改造が施されるようになっています。
こうした進化の速さの背景には、実戦で運用した後、その結果をすぐに開発側へフィードバックし、実際の運用で得られた知見を反映した改良型を次々と投入できるという事情があるようです。
水上ドローンにはオペレーターが存在するものの、機体そのものは無人です。そのため、有人の艦艇や航空機を運用する場合と比べて、乗員の人的被害を伴うことなく実戦で運用できるという特徴があります。また、実戦での運用状況を細かく確認したうえで、その結果や戦訓を開発側に直接フィードバックできることも、マグラシリーズの急速な改良につながっているとみられます。
全く新しい戦法によって黒海におけるロシア軍の活動を阻害し続けるグループ13。その創設者が、最も誇りに思っている作戦として挙げたのが、最新鋭哨戒艦「セルゲイ・コトフ」への攻撃です。「その作戦の結末を映像に収めることができただけでも、価値のある作戦だった」と明かしました。
ウクライナ軍は同艦を撃沈したと発表しており、激しい攻撃を受けて炎上する様子もウクライナ国防省が公開しています。この攻撃は、水上ドローンの脅威が広く知られるきっかけとなった出来事の一つでもあります。
【動画】 これが、黒海艦隊と無人ボートで戦う海戦を変えた部隊創設者